AI普及で実は恩恵を受ける、ものづくり大国日本!
2026/03/02 17:07:06 経済一般
コメント (0)
激化するAI開発競争は、アメリカのGAFAMや一部の中国企業などを中心に行われていて、日本は(またも)蚊帳の外のように見えます。確かに日本にはChatGPTのような世界を席巻するようなAIモデルはあまり開発できていませんが、実は日本企業は今回違う土俵で実利を取りに行っています。
一番目に見える動きとしては、OpenAIに累計10兆円規模の投資を行うソフトバンクグループで、孫正義さんは今回AI投資に資金を全振りしています。素人目には伸るか反るかの大博打にも見えますが、孫さんにははっきりと未来のビジョンが見えているのかもしれません。
またAIの普及のため世界中でデータセンターが凄い勢いで建設されていますが、データセンターという「巨大な精密機械の塊」を形にするためには、日本企業が圧倒的シェアを持っている部材がたくさん必要で、アメリカも中国も、日本企業がこれらの部材を売らなければ1つたりともデータセンタ―を作れないと言っても過言ではありません。
例えば半導体の製造装置は世界シェアの30~35%を握っており、一部の工程においては100%(つまり独占している)のものすらあります。それ以外でも高性能の光ファイバーを作っている「電線御三家」の技術は独占的な強みがありますし、日東紡績のAIサーバー向け特殊ガラスクロスも世界シェアほぼ100%です。AI向け超高純度の銅材料もJX金属と三井金属で世界市場をほぼ独占していますし、データセンターの熱を冷ます空調関係も日本は強いなど、挙げればきりがないほどです。つまり日本は、AI普及を支える裏方(川上とも言えます)として密かにかつ確実にAI市場を支配しようとしています。
独身税というステルス増税
2026/03/02 17:05:39 経理事務
コメント (0)
子ども・子育て支援金という制度が2026年4月より開始されます。これは少子化対策として国が財源を確保するために、全ての医療保険加入者に対し医療保険料に上乗せして徴収されます。
これらは社会全体が子育てや子ども世帯を支えることを目的としていますが、年齢や独身か既婚かに関係なく徴収され独身者はその恩恵を受けられないことから、実質独身者に対する税金ではないかと言う意味で「独身税」と揶揄されたり、ステルス増税(国民に気づかれないように少しづつ徴収されていく税金のこと)と非難されることもあるようです。
社会保険の中に、よく似た名前で子ども・子育て「拠出金」というのが既にあります。社会保険では全額事業主負担なのでその存在が気づきにくいですが、「支援金」のほうは事業主と被保険者が折半です。そのため社会保険料額表に新しい項目として追加されています。料率は0.23%(からスタート)です。
そのため給与明細に新しい欄を増やすかどうかですが、原則的には健康保険料に含めてもいいようです。なので給与明細の記載されている「健康保険料」は、実際は「健康保険+介護保険+子ども・子育て支援金の合計額」ということになります。・・確かにこれはステルス増税かもしれませんね。
選択と集中で、頑張れ、日本!
2026/02/02 16:54:48 経済一般
コメント (0)
異例の短期決戦と呼ばれる選挙期間に入っております。現時点(令和8年2月2日)ではその結果はまだ出ておりませんし、政治的な思想・思惑はいろいろあると思いますが、17の戦略分野に重点投資する「選択と集中」という考え方は、会社経営においても基本的かつ重要な戦略の方法だと言えます。
ただ中小企業だと「17分野」は多すぎるので、多くても3~5つ、もしくは1点集中に成長分野を絞り込み、そこに会社のリソースの少なくとも7割以上は割くというバランスがいいのではないでしょうか。
日本の戦略分野で私が最も気になっているのは「海洋」の分野で、特にレアアース泥の掘削です。レアアースとは簡単に言うと「特別な性質を持った17種類の金属の総称」で、これを少し混ぜるだけでハイテク製品の性能を劇的にアップさせる力があります。自動車、スマホなどに欠かせない「現代産業のビタミン」という呼び名もあります。逆にレアアースが手に入らなくなると、日本の産業は心肺停止状態に陥るとも言われます。
そのレアアースですが、現在中国が世界の生産量の大部分を占めており、日本も約60~70%(一部の金属はほぼ100%)を中国に依存していますが、ご存知の通り高市首相の「台湾有事は日本にとっての存立危機事態になり得る」という発言をきっかけに、中国がレアアースの輸出禁止措置をちらつかせてきました。
そんな中、2月1日に日本が南鳥島沖の水深約6,000メートルからレアアース泥を引き上げることに成功しました。南鳥島沖には日本の需要の数百年分のレアアース資源が眠っていることが以前からわかっていましたが、あまりに深すぎて技術的に引き上げは不可能だと言われていました。ものすごい水圧のかかる6,000メートルの深海の底にまでパイプを垂らし、波風や潮の流れを常に読む(数メートル波に流されただけでパイプが折れてしまう)必要があるからです。AIにその難しさを比喩してもらうと、「東京スカイツリー10本分の長さのある超長いストローを海に垂らし、揺れる船の上から海底にあるタピオカを吸い込む」「地上600メートルのヘリコプターから、地面に置かれた針の穴に糸を通す」などの回答が出てきました。こんな難しいことを世界で初めて成功させられるだけの技術力が、日本にはあるということです。
もちろんまだまだ問題も多いようで、そんな深海から引き上げるのはコストがかかりすぎて中国との価格競争では太刀打ちできないこと、またレアアースを泥や岩石から溶かし出す際に使う強力な薬品が環境汚染につながること、などです。とはいえこれらの課題をもし克服できれば、日本は常に資源を他国からの輸入に依存している状況から一転、資源大国になれる可能性を秘めているわけです。
他にも日本独自の、世界に誇れる技術・強みはたくさんあります。そんな強みをもっともっと「選択と集中」で活かしていけるといいですよね。頑張れ、日本!
令和8年度税制改正大綱の内容を解説!
2026/01/05 18:10:18 税制改正
コメント (0)
令和8年度の税制改正大綱が令和7年12月26日に閣議決定されました。早速121ページある大綱から気になったものをピックアップしていきます。
(1)年収の壁と扶養控除範囲の見直し
「年収の壁」とはいくらまでの収入なら所得税がかからないかというラインのことで、給与収入のみの場合の金額が令和7年から103万円→160万円に改正されていました。これが令和8年から178万円に再度改正されます。基礎控除の最大額が95万円から104万円に、給与所得控除の最低保証額が65万円から74万円に改正されたため、104+74=178万円に年収の壁が変わりました(ただし令和10年以降はまた見直される予定)。なおこの年収の壁はあくまで所得税に関してなので、住民税は108万円からかかります。
またこの年収の壁はあくまで「本人に」所得税がかからないラインなので、178万円までなら税金上の扶養に入れるという意味ではありません。扶養に入れるのは給与収入の場合、基礎控除(本則)62万円+給与所得控除(特例を除く金額)69万円=131万円まで(令和7年は123万円まで、それ以前は103万円まで)です。社会保険の扶養判定も130万円ですので、ざっくりと「税金も社会保険も130万円まで」を目安に考えてもいいでしょう。
(2)暗号資産の課税見直し
暗号資産への課税が20%申告分離課税になります(金商法改正の翌年1月1日から)。現状の総合課税では最大55%課税されるため利益確定をためらっていた方も多いと思われますが、今後は上場株式と同様の課税になる(3年間の損失繰越控除も使える)ため、より取引しやすくなったと言えます。
ただし特定口座の制度はないので、源泉徴収はされないため今後も必ず確定申告は必要になります。また確定ではありませんが、国外転出時課税の対象になる(対象資産を1億円以上所有していた場合(売却していなくても)出国時に含み益に対して課税される)、国外取引所で取引したものは分離課税の対象から外される、という内容がセットになる可能性が高いです。
(3)免税事業者からの仕入税額控除の特例の改正(インボイス関連)
免税事業者に支払った経費につき消費税部分の80%を控除できる特例が令和8年9月で終わりますが、その後の特例スケジュールが変更になり、令和10年9月まで70%控除、令和12年9月まで50%控除、令和13年9月まで30%控除となりました(改正前は令和11年9月まで50%控除のみ)。また元免税事業者の納税額を軽減するいわゆる「2割特例」についても令和8年9月で終わりますが、その後令和10年9月まで「3割特例」が追加されます。
(4)少額減価償却資産の特例の改正
青色事業者が全額減価償却費で落とせる固定資産の額が30万円→40万円未満に。ただし年間合計300万円までが上限、という要件はそのままです。大綱には明記されていませんが、おそらく令和8年4月から適用されると思われます。
優遇されている退職所得の税金
2025/12/01 10:29:15 節税
コメント (0)
退職所得とは具体的には企業からの退職金、小規模共済の一時金、iDeCoの一時金などがこれにあたりますが、退職所得は給与所得などと比べて大幅に税金が軽減されるように優遇されています。退職所得の計算は、退職所得=(退職金-退職所得控除)×1/2となっており、まず勤務年数や加入年数が20年以下の場合は40万円×勤続年数、20年超の場合は800万円+70万円×(勤続年数-20年)の金額が退職所得控除として差し引かれます。要は1年ごとに40万円、70万円が追加で非課税になっていきます。その上残った金額が2分の1されますので、残額の半分も非課税になる、ということになります。
さらに退職所得は「分離課税による累進課税」になります。どういうことかと言うと、例えば給与所得等が3,000万円と退職所得が300万円あった場合に、給与所得等は累進課税により40%の所得税が課されますが、退職所得は他の所得金額は無視して300万円に対する累進税率(この場合は10%)の所得税率しかかかりません。このように退職所得には①退職所得控除、②2分の1課税、③分離課税による累進課税という三重の優遇措置があるわけです(一部例外はあり)。
そのため現役世代にとって退職金を準備することは、「将来の備え」と「節税」の両立になります。iDeCoは65歳未満の方は原則誰でも加入できますので、会社の退職金にプラスして加入することで掛金を毎年の所得控除にしつつ、将来安い税額で一時金を受け取ることができます。個人事業主や法人役員ですと小規模共済をつかって退職金準備ができますし、法人役員はさらに自身の退職金原資を生命保険や倒産防止共済をつかって積み立てることで社会保険料の節約にもつながります。
注意点としては退職所得控除には重複期間の調整というものがあり、退職金を受け取った際にその年の4年前までに他の退職金を受け取っていた場合は、前回の勤続期間・加入期間と重複している期間の退職所得控除が原則受けられなくなります。この重複期間の調整は少し複雑なので詳細は割愛しますが、退職金を受け取る際は前回の退職金から5年以上空いているかどうかを意識しておく必要があります。
さらに「老後資金は自分自身でも準備せよ」ということで広がっていったはずのiDeCoにいたっては徐々に改悪が続いており、令和8以降はiDeCo→退職金の順番に受け取る場合は10年以上、退職金→iDeCoの順番に受け取る場合は20年以上空いていないと後で受け取ったほうの退職所得控除が調整されます。10年や20年空けるのは実質ほぼ不可能であり、「iDeCoは広めるが税金の優遇はしません」という日本政府からのメッセージでしょう。