ふるさと納税の証明書が簡素化
2021/11/30 16:41:52 経理事務
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確定申告時にふるさと納税の控除適用を受けるためには、今までは地方自治体ごとの寄附金受領書を添付しないといけなかったので、寄附回数が多いと書類がたくさんになり集計も大変でしたが、令和3年分の確定申告からは特定事業者から発行された「寄附金控除に関する証明書」(年間寄附額が記載されたもの)を添付すれば良くなりました。
指定された特定事業者は国税庁のホームページに載っていますが、大手のふるさと納税ポータルサイトは概ね登録されています(11月12日時点で14事業者)。楽ちんですのでこちらを活用しましょう(私も楽ちんです(^_^;))。
意外と影響の大きい、電子帳簿保存法の改正
2021/11/01 16:14:50 経理事務
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令和3年度の税制改正の中の1つに「電子帳簿保存法」の改正というのがあり、令和4年1月より施行されます。今までも帳簿書類の電子保存は認められていたのですが、要件が厳しく、あまり使われていませんでした。今回はその要件が緩和されたことと、一部に紙保存ではダメで、必ず電子保存しないといけないものが新たにできたため、注意が必要になります。
まず要件の緩和の方ですが、①税務署への事前申請が不要になった、②タイムスタンプの付与期間が3日以内→2ヶ月以内(+7営業日)に変更、③検索要件が緩和、などが挙げられます。
タイムスタンプとは、スキャン等をした電子データに、データが存在した日付とその日以後データが改ざんされていないことを証明するものになります。タイムスタンプの技術を提供している業者自体が少ないですが、今後改正に伴い増えてくるものと思われます。またクラウド会計等では仕訳データにスキャンした領収書がひも付けされ、修正や削除の履歴も残るようになっていますので、これらのシステム上で保管する電子データについてはタイムスタンプ自体が不要になります。
ここまでは電子保存を考えていない方には何の影響もないのですが、ここからは全ての方に影響がありまして、電子取引で行われる電子データ(のうち国税に関係する書類)の保存は「電子保存が義務化」になります。
電子取引とは、メール添付、web送受信、インターネット上、ファックス等により行われる取引と定義されており、例えばメールに添付されたPDF形式の請求書を受け取った場合、ネットで買い物をした場合、インターネットバンキングで振込をした場合等が挙げられます。
令和4年1月以降は、PDFで受け取った請求書を印刷して紙保管をしても税務上の保管要件を満たさないことになります。最悪青色申告取り消しもあると国税庁は言っています。そのため、相手側にタイムスタンプを付してもらうか、タイムスタンプのないデータを受け取った時は自分で速やかにタイムスタンプを付すことが義務づけられます。
現時点では、タイムスタンプを導入しようにも取り扱いサービスが少なく、整備されるにしてももう少し世間の動向を見てからのほうがいいかもしれません。会計ソフト会社も現時点で全てに対応できてはいないようです。アマゾンや楽天で買い物をして領収書をダウンロードする際には自動的にタイムスタンプが付与されるようにしてくれたら便利なのになーと思いますが、あくまで私の希望的観測です・・。
インボイス制度 ~大増税への新たな布石~
2021/10/01 17:41:32 経理事務
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消費税のインボイス制度が令和5年10月に導入されるのに伴い、令和3年10月より登録申請の受付が開始されました。インボイスは取引時に「適格請求書」を使用して売手側が買手側に消費税率や消費税額などを正確に伝えるものです。
適格請求書は基本的には今までの請求書、領収書等と内容はほぼ変わりません。税率ごとの消費税額を区分表示することは令和1年10月の軽減税率導入時にすでに求められていますので、変わる部分は「登録番号」を記載することくらいです。この登録番号を税務署から発行してもらう申請の受付が開始されたと言うことになります。令和5年10月1日からの登録を受けるためには令和5年3月31日までに申請をする必要があります。弊社でも申請等の対応を順次させていただく予定です。
それがなぜ大増税への布石になるのかということですが、まず登録番号のない請求書等は仕入税額控除ができません。課税事業者(簡易課税選択時を除く)は、売上と一緒にもらった消費税額から経費支払と一緒に払った消費税額を引き算して残りを納税するのですが、登録番号の記載のない請求書・領収書を受け取った場合はこの引き算ができず(開始後6年間は一部経過措置あり)、納める納税額が増えます。
次にこれが最も大きい点ですが、課税売上高が1,000万円以下の免税事業者(消費税を納めていない事業者)はそもそも登録番号がもらえません。その結果仕事の締め出しをくらう可能性が出てきます。はっきり言って小規模事業者いじめの制度なのです。
例えばある課税事業者が下請けに500万円+消費税50万円の仕事を出す予定とします。下請事業者Aは登録番号があり、下請事業者Bはないとします。課税事業者はAに仕事を出す分には今まで通り何の問題もないですが、Bに出した場合は消費税50万円の仕入税額控除ができず50万円の納税が増加します。こうなると課税事業者はBに仕事を出すと損をするので仕事を出さなくなり、結果的にBは元請から締め出されることとなってしまいます(500万円+消費税0円でBが仕事を受けることも考えられます)。
Bはこれを逃れるためにどうするか。免税事業者の立場を捨て、課税事業者となることを自ら届け出て選択し、消費税50万円を納税することになります。今まではBからすると消費税の50万円はもらいっぱなし(これを益税といいます)だったのですが、それができなくなります。国はこの益税を無くし税収を上げることと、益税を無くすことで公平感を高め次なる税率引き上げへの布石とすることが本当の目的なのです。
すべての業種がこのような締め出しを受けるかはわからないですので、免税事業者の方が課税事業者を自ら選択すべきかどうかは難しい判断になります。
LINEでのやり取りが税務調査の証拠書類に!
2021/09/01 13:48:31 税務調査
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令和2年12月に裁決された国税不服審判所での事例で、LINEでのやり取りの画像データを出力した資料をもって、国税当局が「元代表者は退職後も経営に関与して、この資料のように指示を出しているから、実質的に退職したとは認められず、退職金の損金参入を否認する(=経費と認めない)」という見解を出しました。このケースでは関与不十分として最終的には国税当局が負けているのですが、問題はLINEの画像データが税務調査で使われ、証拠書類の形式としては有効であったということです。
このケースでは画像データの入手経路は明らかになっていませんが、納税者が自ら提示したとは思えず、職権で秘密裏に入手していたと考えるのが自然だと思います。
そもそも国税当局は銀行取引を職権で閲覧するのは日常茶飯事ですし、最近の税務調査でもパソコンに保存されているメールのやり取りや、請求書等の作成のためのエクセルデータの閲覧を求められることが増えて来ました。当然のように会社のホームページや代表者のSNSもチェックされています。
少し前の税務調査ではこんなやり取りもありました(一部加工しています)。「(税務署)社長、社長のスマホのLINEを開けて、友達検索のところに「○○さん」と入力して検索実行して、見せてください」「(私)何のためですか?プライベートなスマホなので見せる必要性がありません」「(税務署)〇〇さんとの帳簿外での金銭のやり取りがないか確認するためです」・・最近は国税当局はIT関連にかなり明るくなっている印象です。
暦年贈与が廃止!?
2021/09/01 13:46:02 相続対策
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年間110万円までの贈与は非課税になる暦年贈与ですが、この非課税枠が廃止されるのではないかという声が最近大きくなっております。発端は令和3年度の税制改正大綱で「贈与税と相続税をもっと公平に課税していく」と暗に匂わせてきたことにあります。つまり、生前に贈与しておいたら無税なんて不公平じゃないか、ということです。
現行でも、相続が開始した場合には「相続人に対する3年前までの贈与財産」は相続財産に含め直して相続税を計算することとなっています。ただもちろん3年超前の贈与財産や、相続人以外(例えば、孫など)への贈与は相続財産に含め直しません。
実際に、数年以内に改正になる可能性はかなりあると思います。110万円の非課税枠が0円になるというよりは、上記の含め直しする期間を10年に変更する、もしくは何十年でも期限なく含め直す(アメリカ式)方法が考えられます。個人的には、民法上の特別受益とも合致するので、10年が有力ではないかと思っています。