さあ、次は電子帳簿保存法だ!汗
2023/12/01 18:27:56 経理事務
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インボイス制度が始まり2ヶ月が経ちましたが、現場は未だに、いやますます混乱を深めている感すらあります。そんな中2大改悪法のもう1つである電子帳簿保存法が令和6年1月から開始(正確には猶予切れ)されます。
で、結局何をすればいいんじゃ!?という声が大きくなって参りましたので、とりあえず対応が任意のものは置いておいて、対応が義務化されるものを改めて確認したいと思います。
電子保存が義務になるのは、「今までも保存が必要だった領収書、請求書等の会計書類」かつ「電子データでのみやりとりされたもの」になります。それ以外のものは義務対象外です。紙でやりとりされたものは来年以降も何ら変わりはありません。また電子データで保存したものを印刷して紙とダブルで保存されることも問題ありません。時々、電子データで保存が必要なものは印刷することを禁じられている、と勘違いされているケースがありますが、全くそんなことはありません。で、具体的に義務になるデータは下記のようなものが該当します。
(1)ネットバンキングで振込した場合の振込明細書
(2)アマゾン等で買い物した際の領収書
(3)WEB上からダウンロードした①クレジットカード取引明細、②ETC利用明細、③ガソリン
カードの利用明細、④その他業者からの請求書
(4)メール本文で請求等がされた場合の、メール本文そのもの
(5)クラウド上にアップロードして共有することで受け渡しした請求・契約に関するデータ
(6)スマホ決済アプリで決済事業者から発行される明細書データ、またはそのスクショ
大体これくらいで全部だと思うのですが、インボイスもそうですが、実際実務を始めていくと「こんなものもあった」というのが出てきます。随時対応していくしかありませんね。
そして保存の方法ですが、要件が2つあります。①改ざん防止、②可視性の確保です。一番簡単かつ間違いないのは、電帳法対応のクラウドストレージを契約してそこに全て保存する方法です。タイムスタンプを自動付与してくれますし、ストレージ内で検索がかけれるので①②を満たしてくれます。毎月の利用コストがかかりますが、対象データがかなりある場合は仕方ないと思います。
そこまで対象データはないしコストをかけるのはもったいない、という場合は国税庁HPから事務処理規程をダウンロードしてその通り運用する方法があります。この規程はざっくり言いますと、「データ保存責任者を決めて、保存データを修正等する場合は修正内容を履歴として残す」というものです。修正が多い場合、その履歴を全て残すのは結構大変だと思います・・。合わせて保存するPDFのファイル名に「日付・取引先・金額」を規則的に入れて統一することで①②は満たせます。
それもできな~い!という方は、ひとまず月ごとにフォルダを作って、とりあえずそこに全てデータを入れておいてください!バックアップは定期的にして下さいね。
新NISAも始まるので、投資について考える
2023/11/01 16:53:18 株式投資
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以前も取り上げましたが、令和6年1月よりNISA制度の改正があります。投資枠が2~3倍程度、非課税期間が無期限になり、特に長期投資に有利になりました。かなり税制上の優遇をするから、老後資金は自分で運用してくれという国の意図がはっきり見えます。
最近では株式でも配当利回りが5%を超えるような銘柄も散見されますので、これらの配当を無税で受け取り、将来的に値上がりした元本も無税で換金できれば文句なし!ですが、長期投資で株式や投資信託を購入するからには値下がりリスクも当然発生します。その長期投資リスクをなるべく軽減するためによく言われるのが「分散投資」です。
分散投資だ!ということで世界各国の投資信託等を少しづつ購入する方もおられますが、これはおすすめできません。世界経済は繋がっており、どこかで暴落が起きれば他の場所でも影響が波及して暴落するのが常です。「地域分散」の考え方では、すべてが同時にコケるので結局リスクヘッジにならないのです。
ですので、分散を考えるなら「時間分散」、つまり購入する日時を分散してリスクを軽減するのが正しいです。「ドルコスト平均法」はまさにこの考え方で、暴落があった時期には同じ資金でより多くの株式等を取得できるので、平均取得単価を下げることに繋がります。
個別の株式に目を向けますと、新NISAを意識して、安定した個人株主を増やしたいという動きが増えています。例えばNTTは今年7月に1株→25株へ株式分割を行い、1単元(=100株)を18,000円前後で買えるようにしました。この金額でしたら、毎月予算に合わせて数万円ずつ積み立て感覚で株式の買い増しができます。NTTは将来的に日本政府が株式を売却していく方向で議論されていますが、国外事業展開をしやすくするため、という噂もあります。そうなると将来性も高く、安定した成長と配当、かつ絶対潰れないであろう企業ということでNISAには最適な銘柄だと思います(購入は自己責任でお願いします!)。
とうとう始まったインボイスについて徒然・・
2023/10/02 16:01:22 経理事務
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前回に続いてインボイスに関する記事で申し訳ないですが、最近のお問い合わせの90%がインボイスに関するものなので仕方ありません。
「インボイス番号のある領収書じゃないと、会社が経費として精算してくれないんです」なんて言うサラリーマンの声が一部あるようで、タクシーも「インボイスOK」「インボイスNG」のステッカーを導入しちゃったようです。完全にインボイスの被害者って感じで気の毒です(NGのをわざわざ貼るとか嫌ですよね)。車の上につける表示灯バージョンもあるみたいです・・。またアマゾンや楽天でのネット購入も、10月になって見てみたらマイページの購入履歴から適格領収書をダウンロードできるようになっていました。
最近多かったお問い合わせで、「売上代金が振込手数料分差し引かれて振り込まれた場合、適格返還請求書を発行しないといけないの?」というのがありました。これは、返還金額が税込1万円未満の取引は発行不要という規定があり、まさにこの振込手数料分をいちいち発行しなくていいように一応考えられています。
あまり知られていない特例として、「基準期間の課税売上高が1億円以下の事業者は、税込1万円未満の課税仕入につきインボイス保存不要」という「少額特例」があります。該当する事業者は、例えば6,600円の消耗品をアマゾンで買って適格領収書を保管していなくても、帳簿に記載があれば10%分の仕入税額控除を認められます。この特例の不思議な点は、例えばインボイスを発行できないタクシーの領収書でも、特例を使えば10%分仕入税額控除ができちゃうのです。これは国税庁のHPにもはっきり書かれています。適用できない事業者との不公平感がありますし、ますますインボイス制度をわかりにくいものにさせています。
あとは、「結局インボイス登録しなかった下請先との金額交渉を、10月からどうしたらいいですか?」というお問い合わせも多いです。色々なお話を聞くと、とりあえず3年間は未登録者への支払いも8割は仕入税額控除ができるので、消費税10%×8割=8%を本体価格に乗せて払うことで、トータルの負担が変わらなくするという方法がコンセンサスになりつつある感じがします。今まで税抜100,000円+消費税10,000円=110,000円支払っていた場合は、税抜108,000円+消費税0円=108,000円支払うことにして、2,000円は国に納税する、という形になります。
インボイス開始に向けての準備
2023/09/01 15:14:21 経理事務
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インボイス制度が本当に10月から始まってしまいます。登録申請や請求書・領収書への番号記載以外にも経理事務を変更しないといけない点がいくつかあります(引き続き消費税の免税事業者である方には必要ありません)。
まず、10月以降にクレジットカードで支払った経費は、都度領収書をもらって保管する必要があります。今までは原則1ヶ月ごとの利用明細書と帳簿記載のみで消費税の仕入税額控除が認められていましたが、これがしれっと廃止されました。税務調査が来た時にカード払いの経費の領収書がないと、原則消費税が否認されて追徴税額を納めないといけなくなるので、必ず保管をお願いします。
なお3万円未満のJR料金や自販機での商品購入に限り保管義務が免除されます。またETCは、ウェブ上の「ETC利用照会サービス」で交付される明細を保管すれば大丈夫です。
また自社で会計入力をされる場合は、経費の都度請求書・領収書にインボイス番号があるかどうかを確認して消費税入力をしていただく必要があります。例えば弥生会計の場合、番号があるものは「適格」、ないものは「区分記載80%」を選択します。手書きの振替伝票等を作成される場合は、番号のない経費は「番号なし」などと摘要に記載していただき、後で区別できるようにしていただければと思います。その他ご不明な点がありましたら、各担当者にお尋ねください。
最低賃金引き上げ
2023/09/01 15:13:20 経済一般
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今年10月から最低賃金が引き上げられます。広島県では930円→970円となり、全国平均は1,002円です。実質的にも時給1,000円は最低ラインとなります。
岸田総理は、2030年代半ばまでに全国平均を1,500円まで引き上げたい、と言っています。私が大学生の時(30年くらい前)に当時のほぼ最低時給650円でアルバイトしていた記憶がありますので、この30年間で最低賃金が1.5倍くらいになっています。今度は10数年でさらに1.5倍にするわけですね。
毎年3%ずつ賃金が上がれば達成する金額なので実現不可能ではないと思いますが、最近は働き方改革などで日本人の労働時間はかなり減っています。その上これだけ賃金が上がると、コスト高、人材不足で企業経営が成り立たなくなり、国際競争力も低下する恐れがあります。そうならないためには、「ムダなく成果を上げる働き方」を今以上に追求していかなければなりません。ただでさえ日本の働き方は非効率だと国外からバカにされるわけですから、「ろくに働いていない高給取り」が日本からいなくなるような政策と企業風土がより重要になっていきます。
また賃金が1.5倍になるということは、それだけインフレにもなるということです。資産運用の重要性等もより高くなっていきます。