NISAの新しい考え方 → 狙うべきはVIX短期先物指数!
2014/10/20 19:32:37 株式投資
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平成26年からNISA口座の取引が開始されました。金融庁によりますと、NISA口座の開設数は平成26年6月末現在で727万口座だそうです。
ざっくり言いますと、NISA口座では毎年年間100万円まで株式等の買付ができ、その株式等の譲渡益や配当金に係る税金(20.315%)が5年間非課税になる、というものです。NISAは長期投資に適する一方、譲渡損失が他の株式譲渡損等と通算(相殺)できないというデメリットもあります。
それではこのNISA、本当に使えるのか?たとえば年配当3%の銘柄を100万円で買付たとしますと、配当金に係る税金100万円×3%×20.315%=6,094円の税金が免除になるわけです。・・・この程度なわけですね。
譲渡益はどうでしょうか?100万円で買付した銘柄が200万円に値上がりしたとすると、譲渡益に係る税金(200万円-100万円)×20.315%=203,150円の税金が免除になります。これならメリットが大きそうですね。・・・ただ、そうそう2倍に値上がりする銘柄を一発で買い付けられるでしょうか。年間100万円の枠は、年内に株式を売却しても再利用はできません。譲渡損になっても通算できませんので、リスクも大きいです。日本経済は安定成長期ではありませんので、「長期で持っておけばそのうち・・・」とも言えません。配当金をもらっても、それ以上株価が下落しては意味がありませんからね。
結論から言うと、このNISA、使いにくいです。年間100万円の枠は改正により拡大する動きもありますので、そうなるとまた話は別ですが、現状では使いにくい。
そこで、NISAの新しい使い方をご提案します。すでにそれなりの額で長期投資を行っている方が、リスクヘッジとして、つまり既に所有している銘柄の下落リスクに対する保険的な意味合いでの使い方です。株式を所有していない方の一発大化け狙いとしても使えます。
それは、ある程度価格の落ち着いている時に、NISAでETF・VIX短期先物指数(証コード:1552)を購入しておくことです(ETFは、基本的に株式と同じように購入できます)。「VIX指数」とは、「恐怖指数」とも呼ばれており、アメリカの主要株価指数の一つであるS&P500のオプション取引を元にした指数で、「将来の投資家心理」を示す数値として利用されています。
このVIX指数が高くなるほど、投資家が相場の先行きに不透明感を持っている、ということになります。通常は10~30あたりで推移する数値ですが、リーマンショック時には80あたりまで上昇しました。
それでは、ETF・VIX短期先物指数を見てみます。上場は平成22年12月で、15,000円あたりをつけています。リーマンショックからようやく落ち着きを取り戻しつつある頃です。そして、平成26年10月では800円代で推移しています。ピーク時の約20分の1ですね。これは株式ではありませんから、破たんして紙くずになることはありませんので、今購入して下落しても、損失は限りがあります。しかもこれが下落するということは、株式市場自体が相当落ち着いているということで、他の所有株式の値上がりが期待できます。
一方、経済環境の急変があった場合にはこの指数はふっとぶことになります。もしリーマンショック級の暴落があれば、指数は15,000円ではすまない位急騰することになります。仮に800円→8,000円まで上昇したとしても、100万円で購入した指数が1,000万円になり、900万円の売却益を得ることができます。NISAですと、900万円×20.315%=1,828,350円の税金も免除されます。このような環境ですと他の所有銘柄は損失が出ているでしょうが、一方で900万円の売却益を得るわけですから、トータルの損失はかなり軽減できます。
いわゆる逆指標の銘柄を組み合わせることによるリスク分散なのですが、現在は世界経済はもはやボーダーレスとなっていて、「世界分散投資」などしても、結局分散にはならないのです。ですので、こういった銘柄がより貴重な存在となって参ります。
※この記事は、特定の銘柄の購入を勧める目的で記載したものではございません。あくまでNISAの特徴の活かし方を主眼にしております。また、投資に関しては自己判断でお願いいたします。
本当に重要な投資情報は一部の富裕層に握られている
2014/10/04 17:02:08 株式投資
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株式投資をするためには様々な判断材料を集めないといけませんが、最近はヤフーの株式ニュースなどで、個人でもほぼリアルタイムで情報を集めることができるようになっています。でも、本当に重要な情報はこれらのニュースでは一切触れられていないことがあります。
たとえば、リーマンショック。大暴落が起こる何ヶ月か前から、サブプライムローンのことが話題になり始め、一般投資家もニュースをチェックしていれば、何かまずいことになりそうと言う位はわかるようになっていました。
しかし、暴落直前の四季報(3か月ごとに発刊され、直近の会社業績予測などが載っている)でも、上場企業の業績はせいぜい横ばい程度の予測。本当に実体経済にそこまで影響があるの?という感じでした。
ところが、株価はその後見ての通りの暴落。日経平均が18,000円から14,000円に下がったあたりでも、まだ業績予測は強気のところも多かったです。その後10,000円を割るあたりになって、実はトヨタの積極的北米進出が裏目にでて大赤字に転落したなどのニュースがどんどん明るみに出てきました。最終的には、当時のバブル後最安値7,603円76銭を割り込み、一時6,994円90銭まで下落したのです。
ここから読み取れることはなにか?それは、明るみに出ていない実体経済の激変を一部富裕層は分かっていて、資金を急激に引き上げていた、ということです。私たちは、株価の動きから「知らされていない何か」を察知し、それを投資行動に移さないといけないのです。もちろん、それは簡単なことではありませんが。
2014年10月現在、これからの株価はどうなっていくのでしょうか?日本は消費税増税の影響・反動で4-6月期GDPは大幅マイナス。経済政策も不十分と言わざるを得ない状況と、ニュースを見る限りでは明るい材料は少ないように思えます。
ところが、NYダウは過去最高値を更新し続けています。このあたりに関するニュースはあまり耳にしませんよね・・・?アメリカは金融緩和を縮小しようかという動きと合わせて見ると、庶民が知る以上にアメリカの経済は良好であると私は読みます。そしてその情報はやはり一部の層にのみ握られていると見ますが、果たして真相はどうでしょうか。
誰でも設立できる、相続対策にも有利な「一般社団法人」
2014/09/08 13:29:47 相続対策
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現在、株式会社は資本金1円でも設立できるようになりました。さらに株式会社の半分以下の登記費用で設立できる合同会社、というのもあります。
しかし、まだそこまで知られていませんが、平成20年12月1日より一般社団法人も登記のみで設立できるようになりました。社団法人といえば、かつては公益事業として認可を受けないといけませんでしたので、公的なイメージが強いのですが、今は社団法人を公益法人、非営利型法人、一般社団法人と(税務上)3つに分類しており、そのうち一般社団法人は制約があまりなく、定款を整備して登記すれば、すぐに設立できます。登記費用も株式会社の半額強程度ですし、社員も2人以上(うち理事1人以上)いれば大丈夫です。法人が社員になることもできます。
一般社団法人は、特に事業内容が制限されるわけではありませんので、そういう部分では、株式会社ととくに違いはありません。法人税の課税のされ方も同じです。しかし、株式会社と大きく異なる点があります。それは、「出資金、株式が存在しない(概念がそもそもない)」ということです。法人の意思決定は、社員が各1票をもって行います。
では、なぜ一般社団法人が相続対策に活用できるのか?それは、「株式が存在しない」=「相続対象となるべき株式が存在しない」=「法人の価値が増加しても、相続税の対象にならない」からです。株式会社の場合、法人の純資産額が資本金の10倍になると、株主が保有している株式の評価もたとえば10倍になったりして、その株式を相続する際に多額の相続税が発生することがあります。一般社団法人では、株式がないため相続税には全く影響がありません。社員の地位を引き継いだり、あらかじめ後継者を社員にしておけば税金がかかることなく法人の資産と事業を引き継がせることができます。そして一般社団法人でも、もちろん役員報酬や役員退職金を支給することができます。
もう一つ大きいのは、法人を最終的に解散させる時です。一般社団法人では、解散時に残った財産を特定の社員に分配するという定めを定款に記載することはできません。ですが、実際に解散する時に、社員総会で特定の社員に残った財産を分配することまでは禁止していません。つまり、結局は個人に財産を戻すことが可能なのです。この点は、残った財産は国に帰属させないといけない基金型医療法人(社団)とは異なります。
また、株式会社では解散時に株主に残った財産を分配する際には配当所得として所得税がかかります。一般社団法人の場合も所得税はかかるのですが、配当には該当しないため、税金が有利に計算できる一時所得に該当するものと考えられます。つまり、法人に残った財産の分配も、他の法人形態より有利に行うことができます。これも、相続対策には非常に有効な点です。
マーケティング(2) 市場を適切に絞り込む
2014/08/25 13:34:28 マーケティング
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マーケティング(1)で、小規模事業者の取るべき戦略として、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、というお話をさせていただきました。
「市場を適切に絞り込む」とは、言い換えますと、戦うべき相手と戦わない相手を区分するということです。小企業がいきなり戦場のまん真ん中に切り込んでいっても返り討ちに合うのがオチです。自社の経営資源を集中させて、勝てる相手を選んで切り込んでいくために、「市場を絞り込む」のです。
「市場」を絞り込むためには、業種や経営戦略によってアプローチを変えていかなければいけません。「市場」のとらえ方の観点には、(ⅰ)地域、場所、(ⅱ)商品群、(ⅲ)顧客ターゲット層、(ⅳ)心理的競合群、などがあります。ここでは、(ⅰ)地域、場所、を例にとってみます。
あなたの市場は、「広島市」ですか?「広島県」ですか?「○○町界隈」?それとも「日本」?「世界」?地域や地域性に大きく影響を受ける業種では、地域の範囲が広すぎると、競合が多すぎてジリ貧になってしまいます。地域の範囲が狭すぎると市場規模が小さすぎて利益がでません。また、地域性により戦略が異なる場合もあります。一般的に、大都市圏と地方ではニーズの反応、種類が異なることが多かったりします。
お好み焼き屋を開店するのに、「広島市でナンバー1」では市場が広すぎます。また、老舗の有名店には勝てません。でも、「○○町周辺のサラリーマンの昼食を早く安く提供するお好み焼き屋でナンバー1」ならいけそうではないですか?回転数を多くして採算を合わせる戦略です。逆に、他にはない新鮮な魚介類の仕入れルートがあるならば、「サイドメニューの鉄板焼きが豊富な、○○町でナンバー1の店」でも戦えるでしょう。この場合は、「夜の宴会客」をターゲットに「単価を高くする」ことで採算を合わせる戦略です。
例をあげてみるとわかりますように、「市場の絞り込み」は、自社の強みが正しく分析されていないと誤った選択をしてしまいます。前者のお店は、早くお好み焼きを提供するノウハウを持っていないと対応できませんし、後者のお店は、仕入れルートも持っていないと競争力のある素材を準備できません。
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、実際に日常業務に追われてしまって、この「自社の強み」の部分の分析がぼやけてしまうケースは多いのです。冒頭の①市場と②強みは両輪であり、この2つがかみ合わないままの市場の絞り込みはまず成功しません。ここが最大のポイントです。
市場の絞り込みができましたら、あとはその市場自体を検証してみて下さい。ポイントは、その市場が広いか、今後の伸びが期待できるか、競合は少ないか、です。
小規模事業者のとるべき戦略は、オンリー1企業になって高利益体質になることです。そのために、市場が地域であれば「特定の地域ナンバー1」、市場が商品群であれば「○○の商品ナンバー1」です。その市場が狭くても、「オンリー1」であればニーズは途切れませんし、市場が狭いので、巨大企業がわざわざ本格進出してくることもないでしょう。
「②強み、付加価値、ブランディングを活かす」は、機会があればまた詳しく触れてみたいと思います。
マーケティング(1) 二極化市場をどう生きるか
2014/07/16 11:45:08 マーケティング
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業種を問わず、市場の二極化傾向がより鮮明になってきております。「大」企業と「小」企業だけが生き残り、その中間的な企業は淘汰されていくと以前から言われておりましたが、今は「大」も淘汰される時代となり、「巨大」と「小」しか生き残ることができなくなっております。
「巨大」企業は、たとえば家電小売り業界におけるヤマダ電機や、外食(牛丼)におけるすき家(ゼンショー)のように、圧倒的な低価格により「大」をも市場から撤退を余儀なくさせてしまいますし、フェイスブックやラインなどの圧倒的な技術やネットワークをもった新興IT企業が、業界地図やユーザーの生活そのものまで完全に塗り替えてしまいます。
その中で私たちがどのように生き残っていくべきか。まず間違っても「巨大」企業が行う、低価格戦略をとってはいけません。「小」が行っても、自らをへとへとに消耗させてしまうだけで長続きはしません。「巨大」ですら、一時期は圧倒的な低価格によりシェアを拡大しても、その後その低価格があだとなって自らの首を絞めているのです。先のヤマダ電機やゼンショーの決算推移を見てもらえればよくわかります。
それでは、「小」はどのような戦略を取るべきか?それは、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、ことによって「高くても売れる」ようにすることです。特に新規参入企業にとっては、これ以外に生き残る道はありません。
①②の詳しい内容については次回詳しく触れてみようと思います。その前段階として、自己分析の手法としてマーケティングでは有名なSWOT分析という考え方をご紹介します。SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもので、この4つの方面から自社の立場を客観視してみようというものです。
自社にとっての強み、弱み、というのは分かっているようで、意外とはっきりと言葉にできないことも多いです。また、この強み弱みは、同じ市場にいる競合他社に対しての強み弱みでないと分析の意味がないことに注意してください。具体的に、ライバルのA社との比較でどこが強くどこが弱いのか、ということを明確にしていってください。
強み弱みの分析ができると、その強みを生かせる市場がどこにあるのか、という視点に立つことができます。逆に、戦ってはいけない市場、将来的にネックになるであろう部分(=脅威)も見えてきます。そこまで分析できれば、とっかかりとしては十分です。