相続税増税の影響はどうか?
2015/10/01 14:11:46 相続対策
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ご存じのとおり、今年1月に相続税の基礎控除が4割引き下げられました。事実上の相続税「大増税」です。国税庁の「統計年報」によりますと、亡くなられた方のうち相続税が課される割合は、ここ10年ほどは4%程度で推移しています。ただし死亡者数自体が増加傾向にありますので、2012年の課税対象被相続人の数は52,572人と、2006年の45,177人と比較すると明らかに増加しております。
今年の相続税増税で、この課税される割合は6%台にまで増加するだろうと言われております。増加割合は2%程度ですが、人数にすると25,000~30,000人程度は増加するという計算になりますし、もともと課税対象だった方も百万円単位で納付税額が増加することを考えますと、影響は相当大きいとみていいと思います。なんだか消費税の増税と数字上のカラクリが似ている気がします。
税理士として仕事させていただいている私の感覚としましても、ここ9か月で相続に関する仕事は明らかに増えています。相続税の申告もそうですが、税金以外での相続対策の関心も高くなりましたし、必然的に生前対策としての贈与税の申告も増えそうに思います。改めて影響の大きさを肌で感じている今日この頃です。
業績を立て直すための優先順位とは?
2015/08/24 15:22:23 決算書
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業種にかかわらず、事業の利益はざっくり言いますと以下の計算式で算出されます。
利益 = 売上高 ☓ 粗利率 - 経費
ということは、利益をより上げるためには、(1)売上高を上げる、(2)粗利率を上げる、(3)経費を減らす、のいずれか又はその複数が必要になってきます。
ここまでは当たり前の話なのですが、では業績を立て直す場面においては、(1)(2)(3)のうちどれを最優先にすべきかお分かりになりますか?
答えは、(3)経費を減らす、です。
確かに、売上高が上がることが利益の源泉となるわけですし、全社で団結して目標売上高に向かってまい進することでモチベーションも上がってくることとは思います。
しかしながら、法人や事業にとって最も大切なことは「継続すること」です。事業が継続しなければ社長さんの生活は成り立ちませんし、従業員も路頭に迷わせることになるかもしれません。また、取引先や銀行にも迷惑がかかるでしょう。
そうなると、事業の継続にもっとも必要なのは、いわずもがなですが「キャッシュ(現預金)」です。極論ですが、キャッシュがある限りは売上が下がろうと、赤字が続こうとも、事業は継続できます。逆に、黒字でもキャッシュが底をつけば倒産します。
売上が実際に入金に結びつくためには、営業活動、マーケティング、契約、製造、納品、請求などのプロセスが必要なため、それだけ時間を要します。また、そのためのキャッシュも必要です。業績が好調で資金にも余裕がある段階ではかまいませんが、事業を立て直すという段階では即効性がないため、逆に苦しい期間が増えます。その点、たとえば月3万円の支払家賃を削減することができれば、翌月から即3万円のキャッシュを得ることができます。
たとえ3万円でもあなどってはいけません。月3万円の利益を獲得するためには、その事業の粗利率が30%だとすると、月3万円×12か月÷30%=120万円の売上高が毎年必要です。月3万円の経費削減と、毎年120万円の売上確保・・・、どちらが手を付けやすいでしょうか?
事業継続のためには、売上第一ではなく、利益第一主義にこだわっていただきたいです。
離婚により財産を分けた場合でも税金がかかる!?
2015/07/31 17:00:01 相続対策
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厚生労働省が平成27年1月に発表した「人口動態統計の年間推計」によると、夫婦の3組に1組が離婚しているそうです(!)。長年連れ添った夫婦が離婚に至った場合、夫婦共有の財産をどのように分けるか(財産分与といいます)、という問題が出てきます。 預貯金などは半分ずつ分けることができますが、今まで住んでいた持ち家はどうするのか?となるといろいろ問題が出てきそうです。いわゆる分け前をどうするかの問題もありますが、気を付けないと予期せぬ税金が課税されるケースも出てきます。
まず、財産をもらう側(専業主婦の方が、ご主人名義の預貯金をもらう場合など)ですが、慰謝料はもちろんのこと、「協議離婚に伴う財産分与による所得」にも、税金は課されません。持ち家をもらった場合も同様です。まあ、当然かなと思いますが。ただし、もらった財産があまりに過大だったり、偽装離婚だったりすると贈与税が課されます。
財産を渡す方はどうでしょうか?なんで渡す側に税金がかかるんだ?という声が聞こえてきそうですが、実はご主人名義の持ち家を奥様名義に変更した場合に、ご主人に「所得税、住民税」が課されるケースがあります。なぜなら、「離婚に伴う不動産の財産分与は、財産分与義務の消滅という経済的利益を対価(売値)とした不動産の譲渡」とみなされて譲渡所得税等が課されるからです。
「はっ?なんで?」という感じだと思いますが、そのような取扱いになっています。ただ、「譲渡」とみなされるので、不動産の買値が上回っていて利益部分がでなければ税金はかかりません。
そして、買値が下回っているときにも、特例を使うことができます。居住用財産を譲渡した場合には、確定申告をすれば3,000万円までの譲渡所得が非課税になります。ただし、これは親族への譲渡は対象外になるため、「離婚をして他人になった後に名義変更」をしないといけません(婚姻期間20年以上なら、2,000万円の贈与税の配偶者控除の非課税枠を離婚前に使う手もあります)。
いずれにせよ、頭の中の「?」マークが消えないのは、私だけではないと思います・・・。
ついに出た!トヨタの「元本保証株」
2015/06/17 11:02:34 株式投資
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トヨタ自動車の6月16日の株主総会で、「AA型種類株式」の発行が承認されました。内容は画期的な、まさに「元本保証」される株式となりそうです。
発行価格は普通株式より2割高くし、配当金は年利0.5%~2.5%で、5年間は売却できないが、5年経てば普通株式と1:1で転換するか、発行価格でトヨタに買い取ってもらうか選択できる、というものです。
つまり、5年後に株価が現在の1.2倍以上になっていれば普通株式に転換して値上がり益を得ることができ、それ以下の株価であれば発行価格で買い取ってもらうことで元本が事実上保証されます。
これは、会社自体によほど安全性、資金力、成長性に自信がないと発行できないわけですが、純利益2兆円をたたきだすトヨタなら「ありかな」と思う方も多いと思います。日本国債5年ものの利率が0.12%前後ですから、魅力的な運用資産であることには間違いありません。
マーケティング目線で見た、「ライザップ」
2015/06/17 10:59:40 マーケティング
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「ライザップ」というスポーツジムが人気を集めています。CMで、赤井英和さんや香取慎吾さんがビフォーアフターですごい肉体美を披露しているやつです。CMのインパクトで人気を集めている側面もあるとは思いますが、マーケティング目線で見てみると、違った人気の一面が見えてきます。
スポーツジムに通う人の目的はいろいろあると思います。「ダイエット」「健康のため」「ストレス解消のため」「スポーツの上達のため」「筋肉ムキムキにしたい」等々・・・。その中でも、「夏までに○○キロやせたい!」と思われている方は多いはずです。その人にとっては、「目的」は「ダイエット」であり、その「手段」としての「スポーツジム」なのです。つまり、「ダイエット」が目標であって、「週2回スポーツジムに通う」ことが目標ではないのです。
そういう人にとって、「初月会費無料」や「設備の充実」や「インストラクターのお姉さんがきれい」という要素はそこまで重要ではありません。あるに越したことはない、という程度でしょう。スポーツジム運営側からすると、ダイエット目的の顧客に対して「スポーツジム施設の充実」という商品をいくらプレゼンしても、その向こうにある「○○キロ減量」という顧客の本当のニーズをとらえていないため、顧客の心にささりません。手早く昼食をすませたいサラリーマンには、「食後のおいしいコーヒー無料」がささらないのと同じです。
その点、ライザップは「ダイエット」という目的をもつ顧客のみに特化して、その目的達成のみに焦点を合わせています。筋トレ中心なのでプール設備などはなく、また金額も2か月で20万円~と決して安くはないようですが、マンツーマンで日々の食事管理等もしてくれるそうです。まさに、「多少高くても確実にダイエットしたい」というニーズを的確にとらえたマーケティングの好例と言えると思います。