で、スーツは経費で落ちないのか?
2016/03/25 18:11:35 節税
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単純だけど、回答が難しいご質問の一つに、「スーツは経費で落ちないのか?」というのがあります。家でくつろぐ時にスーツを着る人はいないのだから、当然経費でしょ!と思われると思いますが、実はそう簡単にはいかないのです。なぜなら、昭和49年の税務訴訟の判例で、「被服については、一般的に個人の趣味嗜好が入る・・・」等の理由により、個人的な支出とされたからです。ですので、税理士や税務署の回答は、基本「NG」と答えざるを得ないのです。
ただ、この見解は今後変わってくる可能性があります。平成26年に、給与所得者が給与所得控除(自動的に一定額が非課税になる)に替えて使える「特定支出控除」の改正があり、この中で、「会社員が仕事で必要なスーツの購入は、必要経費に含めることができる」ことになりました。
会社員には認めて、事業主に認めないのは公平性がないので、今後、明らかに業務のみに使用するスーツについては、経費で落としてもいいという見解に変わってくる可能性は大いにあります。
ただ重要なのは、「業務のみ」に使用することが客観的に認められないといけないので、高額なスーツや、ハデなスーツなどは、やはり難しいと思います。税務署的には、「葬式、結婚式、パーティなど、プライベートでもスーツは着ますよね?」という見方が支配的ですので。
計画はネガティブに、実行はポジティブに
2016/03/05 14:43:06 マーケティング
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「計画はネガティブに、実行はポジティブに。」これは経営者には必須の考え方です。経営計画は、「何とかなるだろう」「売り上げは、頑張れば、気合で達成するだろう」「これぐらい広告費をかければ、売り上げはかなり伸びるだろう」と、ポジティブ(前向き)ではいけません。なぜなら、経営は流れが良いときはイケイケでもいいかもしれませんが、必ず流れ良くない時が来ます。その時に、「何とかなる」の計画では、「売り上げを見込んで固定費が増大したのに、実際の売り上げが大幅未達で、にっちもさっちもいかなくなる」わけです。
要するに、「経営のリスクヘッジ(危機管理)」ができていないのです。「売り上げが目標の80%にしか達しなくても黒字を確保できる、ネガティブ(保守的)な予算計画」「必要な人材が見つからなかった場合の代価案」「新規事業が立ち上がらなかった場合の撤退時期」などのネガティブな計画を綿密に立てておくことこそが重要です。
一方、実行はポジティブでなくてはいけません。「必ず売り上げ目標を達成する実行」「従業員を幸せにする組織づくり」「新規事業への情熱」を前向きに実行できる経営者でないといけませんよね。でも、「前向き」と「楽観的」は違います。
ネガティブシミュレーション(計画はネガティブに)、ポジティブシンキング(実行はポジティブに)を心がけましょう。
経済活動の本質は「等価交換」
2016/01/31 07:40:16 経済一般
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私は大学時代は経済学部に在籍していましたが、あまり真面目に講義は受けていませんでした。でも、いくつか真面目に受けた中に「貨幣論」という講義があり、今思えばなかなかに経済活動の本質をついていたなと思います。
(ちなみに、マクロ経済学、ミクロ経済学などはちんぷんかんぷんでした…)
まず、経済活動の起こりは物々交換であったと言われています。たとえば自分達が収穫したお米を、漁師さんところに持っていって魚と交換してもらったりして、ほしいものを手に入れていました。
そのうち、この物々交換が活発化してくると、「お米1俵に対して、魚何匹と交換してもらうのが平等なのか?また、肉ならどれくらいが平等??」ということになり、やがてそれぞれの目安(相場)ができ始めました。
そこから、統一的な価値尺度を表す媒体物として貨幣が誕生しました。その貨幣も、第一次世界対戦の頃までは金の価値の保証を持って発行する金本位制が一般的で、現在のように政府の保証だけで発行する管理通貨制度はまだまだ歴史が浅い、といったところです。
前置きが長くなりましたが、重要なのは、形が変わっても、変わらない本質は「等価交換」だという、当たり前だけど忘れがちな点です。
つまり、お金を稼ぎたければ、それ相応の価値のある資産または労務を提供しなければならないということであり、他社より売上を伸ばしたければ、他社よりも多くの付加価値を提供するということが本質であり、全てということです。決して口先だけの営業トークや、小手先だけのマーケティングに、その本質はないということです。
消費者という立場からも同じで、お客様は神様でも何でもなく、等価交換の相手方であるに過ぎないわけです。ここを勘違いすると、自分達はお金を払っているのだからと、飲食店で他人の迷惑になるほど大騒ぎしたり、コンビニの店員を土下座させたりする輩が出てくるわけです。
経済の本質を身に付けて、健全な経済活動を送りたいものです。
平成28年度税制改正大綱、発表される
2016/01/06 14:07:05 節税
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平成28年度の税制改正大綱が昨年末に発表されました。政権の安定を反映してか、早々に発表された印象です。抜本的な改正はこれといってありませんが、いくつか気になる点を取り上げてみました。
(1)平成28年度の法人実効税率を31.33%→29.97%へ引き下げ(中小法人等を除く)
→ 国際競争力の強化、の旗印のもと段階的に引き下げられてきた法人実効税率を20%台まで引き下げ。
(2)建物と一体の建物付属設備及び構築物の償却方法が、(建物に準じて)定額法に一本化
→ 平成28年4月1日以後取得資産から適用されます。実務的によく出る事項なので、注意が必要です。
(3)国家戦略特別区域における指定法人の減税
→ いわゆるアベノミクスの「3本目の矢」。首都圏、関西圏、沖縄県など、国家戦略特区に指定されている地区の一定の新設法人について、5年間、所得金額の20%を控除する(=減税)。
(4)空き家に係る譲渡所得の特別控除の創設
→ いわゆる「空き家対策」として、譲渡所得税等についての特別控除を新設する。
(5)平成29年4月からの消費税率10%を「明記」
→ 併せて、飲食料品(外食、酒類除く)や日刊新聞については軽減税率(8%)が導入される。書籍、雑誌等については引き続き検討される。
年金は大丈夫か!?GPIF、7-9月に7.8兆円の損失!
2015/12/01 18:35:54 株式投資
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日本の年金積立金は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という機関で管理、運用されています。GPIFのホームページによりますと、平成27年9月末現在での運用資産額は約135兆円ですが、7~9月の3か月間で7兆8,000億円以上(!)もの損失を計上しています。
これは、安倍首相が主導した運用改革により株式等の運用比率が高くなっていたところに8月のチャイナショックによる世界的な株安などがあり、大きな運用損が出ました。もっとも、10月以降は株価も大きく戻していますし、長期的には利益は出ているので、これだけをもってすぐに「年金危機」というような状況ではありません。ただ問題は、株式の運用比率を倍程度に引き上げたため、損益の振れ幅が大きくなっているということです。7.8兆円という損失は、リーマンショック時の年間損失額に迫る金額だそうです。
さらにGPIFは、今後「ジャンク債」と呼ばれる海外の低格付け債での運用も行うと発表しております。もしかして、「夏に大負けしたから、ハイリスクハイリターンの運用で取り返す」みたいな、頭に血が上った運用になってませんよね!?まさかとは思いますが・・・
根本的な問題として、株式運用が「長期的な運用」に適しているのか?という問題があります。世界的に経済が安定して成長しているわけではない状況では、長期間株式を持ち続ける、ということ自体がかなりの(暴落などの)リスクを伴うことになります。大事な年金資金を、株高演出の政治利用にされないことを願うばかりです。