金利低下で、住宅ローン控除は逆ザヤ状態
2016/09/30 17:48:42 経済一般
コメント (0)
日銀のマイナス金利政策により住宅ローンの金利は下がり続けており、メガバンク(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友)では10年固定でなんと0.5%程度になっております。地方銀行ではここまで下げると銀行業として成り立たないそうですが、この利率、実は住宅ローン控除の「借入残高×1%」を下回っています。これが意味するところは、もちろん諸条件が整えばですが、「銀行に払う金利よりも、税金の還付金が多く帰ってくる!」ということです。おそらく税務当局はこの状況は想定していなかったでしょう。10月からは日銀の政策変更により、住宅ローン金利はやや上昇すると見られていますが、それでもこの状況は政策から出たゆがみと言えそうです。
経営のルールの作り方(2)
2016/08/08 15:13:59 経営
コメント (0)
前回、経営のルールの作り方、順番を以下のように定義させていただきました。
(1)経営理念 → (2)経営方針 →(3)戦略 →(4)戦術
(1)の経営理念が、会社の「存在意義」「使命」「旗印」として存在します。今回は、(2)(3)(4)についてご説明させていただきます。
(2)経営方針は、事業の根底となる判断基準です。私は、経営方針とは、市場・経済環境に左右されない、ゆるぎないものでなくてはならいと思います。数値的な方針も、ここでは必要ないと思います。
なぜなら経営方針とは、内部外部の要因により(3)戦略(4)戦術の見直しが必要になった場合に、会社の進むべき方向がぶれないようにするための指針だからです。進むべき方向に迷ったら、経営方針に従う!そのためのものだからです。
日本郵政グループの経営方針の一番目は、「お客様の生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。」とあります(同社ホームページより抜粋)。これに従いますと、例えば「採算と合理化のため、○○県から撤退すべきかどうか」の判断に対しては、「NO」という結論が導かれると思います。「全国ネットワークで提供」することが経営方針だからです(あくまで私の解釈です)。では、なぜ「全国で」なのかというと、経営理念たる会社の存在意義が、そうなっているからです。
こう見ますと、では「経営理念」「経営方針」は、意地でも曲げてはいけないものなのか、と聞かれそうですが、私はそれでいいと思います。ここが変わるということは、もうその会社は以前とは別の会社に生まれ変わるということだと思います。それくらい、「経営理念」「経営方針」は絶対的な根っこの部分だと思います。
(3)戦略は、目標達成のための絶対的ルールになります。その戦略に基づいた具体的な行動方針が、(4)戦術になります。「戦術」は、会社ごとに個別に計画していきますが、その基となる戦略は、大きく4つに分類できます。①商品戦略、②マーケティング戦略、③営業戦略、④組織戦略、です。
①商品戦略は、「何を売るか」です。ここで重要なのは、売るものの本質を見誤らないことです。たとえばソフトウェア会社であれば商品は確かに「ソフトウェア」ですが、本当に売るのは「煩雑な業務を効率化するためのソリューション(=解決)」です。保険会社の商品は「保険」ですが本当は「安心感」だったりします。商品を買うお客様の顔が見えているか?に気をつけましょう。
②マーケティング戦略は「どこで売るか」、③営業戦略は「どうやって売るか」、④組織戦略は「その商品を継続的に提供するためのバックボーンたる組織をどのようにするか」、です。この4つは相互に支え合う関係ながらも、全くの別物です。
当事務所では、このような経営のルール作りのお手伝いもさせていただいております。お気軽にお問合せください。
経営のルールの作り方(1)
2016/08/01 18:46:00 経営
コメント (0)
書店等では、経営に関するさまざまな書籍が並んでいます。アマゾンで「経営」「本」などと検索してみても、「経営の教科書」「小さな会社の経営戦略」「理念と経営」等々・・。見出しだけでも、あらゆる文言で、私たちに「経営とはかくあるべき」と語りかけて来ます。
しかし、良く聞きます「経営戦略」「経営戦術」という言葉は、学術上、その定義が確立されたものではありません(もともと軍事用語ですからね)。また、実際に経営をする側の立場からしますと、その定義が何なのかは正直どうでもよく、要するに経営のルールつくりの方法がわかればいいのです。
・・ということですから、私は経営のルールの作り方、順番を以下の通り(勝手に)定義しております。
(1)経営理念 → (2)経営方針 →(3)戦略 →(4)戦術
(1)が一番上位に位置する、ピラミッドのようなイメージでしょうか。
(1)経営理念は、会社の「存在意義」「使命」「旗印」です。会社が、経済社会において存在する理由、価値が何なのかを定義するものです。この使命を果たすために社長は経営をし、従業員はこの旗印を羅針盤として日々の業務を行うのです。この経営理念が大黒柱としてまず中央にドーンと立っていないと、例えば営利目的のみに走ったあげく顧客が離れ、倒産という事態になる可能性があります。存在意義のない会社は、社会から必要とされていないのだから、中長期的には必ず消滅します。自然の理ですから、仕方ないと思います。
大企業の経営理念を見てみますと、例えばキリン株式会社は、「飲みものを進化させることで、みんなの日常をあたらしくしていく」です(同社ホームページより抜粋)。いいですよね。飲料を売るのが使命ではなく、日常を新しく、元気にしていくことが真の使命だと言っているのです。この経営理念があれば、何か商品開発で迷いが生じても、「あたらしいもの」に向かってチャレンジするんだ、という方向に迷わず向かっていけるわけですから、従業員の方も働き甲斐があると思います。
(2)(3)(4)につきましては、また次回、お話させていただきます。
すぐわかる!節税のしくみあれこれ
2016/07/05 14:09:23 節税
コメント (0)
基本的な節税の方法、手法というのは限られています。そして基本的に単純でわかりやすいです。そうでないと、対策をした本人が、後で「どうしてこれをしたことが節税になるんだっけ」となることもあります。随時見直しができないようだと結局使い勝手が悪いです。時々、税法の隙間を利用したすごい節税方法を考え出すかしこい人がいます。でもそういったものは法改正で穴を埋められてしまったり、「租税回避」「行為計算の否認」などとしてクロにされてしまったりします。
個人事業の方の場合は、青色申告特別控除+青色事業専従者給与+小規模共済加入、の3点セットが節税の基本です。これを検討せずに他の節税を検討する、というのはありえません。制度を利用して特典を受け、(可能であれば)親族への給与支給で所得を分散し、小規模共済で老後資金を積み立てながら所得控除を取ります。これが法人であれば、役員報酬の支給、法人契約生命保険、倒産防止共済なども絡めていきます。
これらの節税方法がすぐれているのは、お金が外部に流れない点にあります。制度の利用にお金はいりませんし、親族への給与は家計が同じならばトータルのお金は減りませんし、積立金はいずれ自分の手元に戻ってきます。資金流出がある節税よりも資金流出がない節税の方が優れている、というのが基本です(全てではないですが)。交際費をパーッと使っても減税はできますが、お金は出て行ってますし、そもそも経営的にどうなの?ってなりますよね。
もうひとつのポイントは、その節税が減税なのか繰延なのか、という点です。繰延という言葉は、専門家はあたりまえに使っていますが、ちょっとなじみのない言葉ですね。「今年払う税金を来年払うようにする」のが繰延です。先送りですね。税金が減るわけではありません。ただ、来年なら資金に余裕が出る、とか、今期だけ突発的に利益がたくさんでた、という場合には有効です。
金融危機「7年周期説」
2016/06/02 14:58:24 株式投資
コメント (0)
金融危機は7年おきに起こる、という金融危機「7年周期説」というものがあります。かなり影響が大きかったリーマン・ショックは2008年に起きました。リーマン・ショックに前後して、日経平均株価は1万8千円程度から7千円割れにまで暴落しました。実体経済にも相当の影響が出ました。
過去を見てみますと、その7年前の2001年は、ITバブル崩壊と、合わせてアメリカ同時多発テロが起きています。さらには1994年メキシコ通貨危機、1987年ブラックマンデーとさかのぼります。逆に最近では、昨年2015年には中国の景気失速懸念から世界的に株価が暴落しました(チャイナショックとも呼ばれます)。
ここで考えないといけないのは、7年という数字がどうこうではなく、経済は何年かの周期で上がったり下がったりを繰り返している、ということです。アベノミクスによる好景気(?)は、昨年の中国減速でいったんは終息しているとみるべきですし、逆にチャイナショックはアメリカの好景気がある程度打ち消してくれているため、もう少し景気が減速しても、それなりの時期には落ち着く(底を打つ)とみるべきだと思っています。