ギャル曽根をTVでよく見かけることと、自社製品がよく売れる理由の共通点
2019/06/17 14:05:08 経営
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先日ヤフーニュースを見ていますと「ギャル曽根が大食いタレントとして10年以上一人勝ちを続けられる理由」という記事がありまして、私はとくにギャル曽根さんのファンという訳ではないですが、経営と通じるものがあるなと思ったので、ちょっと書いてみたいと思います。
芸能界に大食いタレントみたいなポジションの人は数十人はいて、ギャル曽根よりも早くたくさん食べれる人もいるのに、バラエティー番組に出るのは10年以上ギャル曽根ばかりなのはなぜ?みたいな内容の記事で、その理由が下記みたいに挙げられていました。
(1)おいしそうに食べる (2)食べ方がきれい (3)スリムな体型を維持していてあこがれ感がある
タレントさんなので、あくまで視聴者に支持されないとTVには出られない、ということで考えると、見ていて楽しい・面白い、好感が持てる、あこがれるなどの要素が不可欠というわけです。いくら早くたくさん食べれても、昔のフードファイターよろしく苦しそうな顔で食べてたり、食べ方が汚かったり、「そりゃあたくさん食べるでしょうね」という体型だったりすると、TVしかもバラエティー的にはニーズはないということになります。我が家でもTVを見ていて、「ギャル曽根は絶対口の中見せないし、きれいに食べるよね」と話したことがあります。ご本人も、食べ方がきれいに見える顔の角度まで計算されているそうです。
結局ギャル曽根さんは、TVプロデューサーや視聴者のニーズがどこにあって、そのためには自分をどう見せないといけないかを知っているということだと思います。これを企業に置き換えると、性能が他社のどの製品よりもすぐれている(=誰よりも早く食べられる)から、製品が一番売れる(=一番TVに出られる)とは限らない、ということになります。逆に言いますと、性能が一番ではなくても、顧客のニーズに応えることができる製品は、シェアNo.1になれるということです。
たとえばiPhoneは他のスマホと比べて明らかに高性能というわけではないですが、使いやすさだったり、イメージ・ブランド感だったり、アプリやコンテンツの多様さだったりが、特に日本人のニーズに合ったわけです。また古い話では性能に勝るベータがVHSに駆逐されたのも、販売網の差や、製造コストの低さがメーカーに支持されたからです。
忘れてはいけないのは、一部のコレクター気質の人を除いて、製品は「所有すること自体に意味がある」わけでなく、「その製品でどんな利便性、満足、幸福感を得られるか」で価値が決まるということです。家電でも「使わない機能がたくさんついててわかりにくい製品」よりも「使う機能だけがついていてシンプルでわかりやすい製品」が好まれるのはそのためです。顧客の真のニーズは何なのかを理解することは、事業経営にとって最も重要な点のひとつです!
業績を立て直すための優先順位とは?
2019/06/03 14:36:42 経営
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業種にかかわらず、事業の利益はざっくり言いますと以下の計算式で算出されます。
利益 = 売上高 ☓ 粗利率 - 経費 ※売上高×粗利率=粗利益
ということは、利益をより上げるためには、(1)売上高を上げる、(2)粗利率を上げる、(3)経費を減らす、のいずれか又はその複数が必要になってきます。
ここまでは当たり前の話なのですが、では業績を立て直す場面においては、(1)(2)(3)の優先順位はどうなるかお分かりになりますか?
答えは、(3)経費を減らす → (2)粗利率を上げる → (1)売上高を上げる、の順番です。
確かに、売上高が上がることが利益の源泉となるわけですし、全社で団結して目標売上高に向かってまい進することでモチベーションも上がってくることとは思います。しかしながら、法人や事業にとって最も大切なことは「継続すること」です。事業が継続しなければ社長さんの生活は成り立ちませんし、従業員も路頭に迷わせることになるかもしれません。また、取引先や銀行にも迷惑がかかるでしょう。
そうなると、事業の継続に最も必要・大切なのは、言うまでもなく「キャッシュ(現預金)」です。法人・事業はキャッシュがある限りは売上が下がろうと、赤字が続こうとも、事業は継続できます。逆に、黒字でもキャッシュが底をつけば倒産します。
売上が実際に入金に結びつくためには、営業活動、マーケティング、契約、製造、納品、請求などのプロセスが必要なため、それだけ時間を要します。また、そのためのキャッシュも必要です。業績が好調で資金にも余裕がある段階では問題ないのですが、事業を立て直すという段階では即効性がないため、逆に苦しい期間が増えます。その点、たとえば月3万円でも支払家賃を削減することができれば、翌月から即3万円のキャッシュを得ることができます。
たとえ3万円でもあなどってはいけません。月3万円の利益を獲得するためには、その事業の粗利率が30%だとすると、月3万円×12か月÷30%=120万円の売上高が毎年必要です。月3万円の経費削減と、毎年120万円の売上確保・・・、どちらが手を付けやすいでしょうか?
また「粗利率を上げる」方法ですが、材料仕入や外注費の得意先ルートを見直すだけでなく、人的コストも見直すことが必要です。ここで言うのは人件費削減=解雇や減給、などという単純かつ下策の話ではなく、業務工程を根本から見直すことで、同じ従業員人数でも、また外注を減らしても今以上の業務キャパ確保、業務効率化ができる体制をつくるという意味です。
事業継続のためには、売上第一ではなく、利益第一主義にこだわっていただきたいです。
消費税増税で令和は暗雲スタート(>_<)
2019/04/30 17:06:20 経済一般
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新年号「令和」、最近ようやくWordやスマホがダイレクトに変換してくれるようになってきました。めでたいことだとは思いますが、私的にはそれよりも10月の消費税10%が今年の最大のイベントです。今だに「増税再々々先送り論」がくすぶってますが、なぜでしょうか?それは、間違いなく景気に水を差すからです。
消費税が8%に増税されたのは平成26年4月ですが、その年の4-6月の日本の実質GDPは年率-6.8%です。歴史に学ぶ、という言葉を出すまでもなく、消費税の税収増など軽く吹っ飛ばす数値ですよね。10%にしたら財政が再建できるとでも本気で考えているのでしょうか?来年の東京オリンピックまで景気はもつと信じて、(その先のことはとりあえず考えずに)日本経済は走っているわけですが、中国の経済も持ち直しの兆しがでてきたので何とかなるかな、というところに消費税増税という時限爆弾が爆発したらどうなるか・・。地方選に敗れた自民党が「増税先送り+衆参ダブル選挙」と言うのもあながち暴論ではないと私は思います。
特に事業者目線からしますと、消費税の8%→10%は2%の増税ではなく、8%×1.25=10%と
25%の増税なわけですから、「消費税は預り金です」と正論を言われても肌感覚的にそれで納得するはずもないことはこの30年間で証明済みで、「景気の先行き不透明感+実質大増税」でまたも景気は低迷・・令和に替わってもそんなことを繰り返すわけです。
さらに軽減税率制度というのも10月から実施予定ですが、これがまた○○もいいところ・・(>_<)こんなものを導入しないと上げれない消費税なら最初から上げるな!と共産党支持者でなくとも言いたくなります。いったい消費税制度を無意味に複雑にして何がしたいんでしょうか。税理士の仕事を増やして税理士の既得権を国を挙げて守ってくれているのでしょうね。ホンマ、ありがたいことですわ。
一応軽減税率制度の説明をさせていただきますと、増税後も飲食料品と(なぜか)新聞の定期購読は引き続き8%です。軽減される飲食料品には、テイクアウト・宅配等は含まれ、酒類・外食等は含まれません。新聞等でよく議題に上がっていたのが、「コンビニで飲食料品を購入して、持ち帰れば8%だが、そのままイートインコーナーで食べると外食に該当するので10%。これをレジでの支払段階でどちらと判断するの?」という話でした。
結論は、コンビニは「イートインを利用される方は申し出てください」と張り紙しておき、レジで購入者に意思確認して判断。たとえ「持ち帰る」と答えて8%払った後イートインで食べても法律上咎めることはできないようで、法理論が破たんしているような・・。
会社の「事業承継」の考え方
2019/04/03 14:20:06 事業承継
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「事業承継」とは、事業を次の世代に引き継ぐことを指しますが、何だか漠然としていますし、具体的な計画方法を理解されている方は少ないのが実情だと思います。ただ、事業承継に関するご相談は年々増えております。団塊の世代が70歳前後になられている、という人口構成も関係していると思います。
事業承継には、大きく以下の3つの要素があります。
(1)「社長のイス」の承継
(2)「オーナー株式」の承継
(3)「社長の個人財産」の承継(譲渡、贈与、または相続)
そして、これらを以下の誰に承継するのか、という問題があります。
(1)息子などの親族
(2)自社幹部役員や従業員
(3)社外への売却(いわゆるM&A)
そして、特に中小企業では、親族に事業を承継させるメリットは、「やっぱり息子に継がせたい」という心理面以外にも、下記の通り多くあります。当事務所では、まずは親族が事業を承継することを基本線として検討すべきであると考えております。
(1)幹部が納得する(幹部の一人が承継者になると、他の幹部が納得しないことが多い)
(2)銀行が納得する(社長の個人資産も引き継いでくれるため、担保面でも安心する)
(3)外部要素に左右されにくく、人生設計を含めた事業承継計画が立てやすい
書店で事業承継に関する本を探すと、自社株評価をいかに下げて税金を抑えるか、という点に多くを割いているものが多いです。たしかにそれも大事ですが、事業を永続的に繁栄させていくためには、次の世代への体制づくり、組織づくりが最重要です。そこには多くの人々の思い、心、気持ちがからみあってまいりますので、それらをおろそかにしないことです。テクニカルな株式・節税対策はその後でいいのです。
ただ税務的、会社法的には、株式の譲渡はとても重要です。その注意点を以下に掲げます。
(1)過半数(51%)では不十分で、67%(3分の2以上)を次期社長に株式譲渡するべき
→重要事項の決定権を抑えるためには3分の2以上の議決権が必要
(2)67%以外の部分でも、できる限り次期社長が株式を保有すべき
→株式買取請求権を行使される、株式の買取代金が多額になる、というリスクが残るため
(3)自社株評価を意図的に下げて株式の譲渡にかかる税金を抑えるためには、5~10年の
スパンで株式譲渡のタイミングを計るべき
(4)「経営承継円滑化法」などの優遇措置は、よくよく検討すべき(後戻りできない)
最終的な事業承継のゴールは、事業承継に関わる皆様の幸せです。幸せな事業承継が行えますよう、歩んでまいりましょう。
二極化市場をどう生きるか
2019/03/04 09:57:12 経営
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業種を問わず、市場の二極化傾向がより鮮明になっております。「大」企業と「小」企業だけが生き残り、その中間的な企業は淘汰されていくと以前から言われておりましたが、今は「大」も淘汰される時代となり、「巨大」と「小」しか生き残ることができなくなっております。
「巨大」企業ですら、たとえば家電小売り業界の王者であったヤマダ電機や、外食(牛丼)における吉野家など、圧倒的な低価格を実現できる企業もってしても、現在は消耗戦により苦戦を余儀なくされているところも少なからずあります。また、アマゾンやグーグルなどの圧倒的な技術やネットワークをもった新興IT企業が、業界地図やユーザーの生活そのものまで完全に塗り替えてしまいます。
その中で私たちがどのように生き残っていくべきか。まず間違っても「巨大」企業が行う、低価格戦略をとってはいけません。「小」が行っても、自らをへとへとに消耗させてしまうだけで長続きはしません。「巨大」ですら、一時期は圧倒的な低価格によりシェアを拡大しても、その後その低価格があだとなって自らの首を絞めているのです。中小企業なら言わずもがなです。
それでは、「小」はどのような戦略を取るべきか?それは、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、ことによって「高くても売れる」ようにすることです。特に新規参入企業にとっては、これ以外に生き残る道はありません。
「市場を適切に絞り込む」とは、言い換えますと、戦うべき相手と戦わない相手を区分するということです。小企業がいきなり戦場のまん真ん中に切り込んでいっても返り討ちに合います。自社の経営資源を集中させて、勝てる相手を選んで切り込んでいくために、「市場を絞り込む」のです。
ここでは、地域、場所、を例にとってみます。あなたの市場は、「広島市」ですか?「広島県」ですか?「○○町界隈」?それとも「日本」?「世界」?地域や地域性に大きく影響を受ける業種では、地域の範囲が広すぎると競合が多すぎてジリ貧になってしまいます。地域の範囲が狭すぎると市場規模が小さすぎて利益がでません。また、地域性により戦略が異なる場合もあります。一般的に、大都市圏と地方ではニーズの反応、種類が異なることが多かったりします。
お好み焼き屋を開店するのに、「広島市でナンバー1」では市場が広すぎます。「○○町周辺のサラリーマンの昼食を早く安く提供するお好み焼き屋でナンバー1」ならいけそうではないですか?回転数を多くして採算を合わせる戦略です。逆に、他にはない新鮮な魚介類の仕入れルートがあるならば、「サイドメニューの鉄板焼きと焼酎・日本酒が豊富な、○○町でナンバー1の店」でも戦えるでしょう。この場合は、「夜の宴会客」をターゲットに「単価を高くする」ことで採算を合わせる戦略です。「市場」と「自社の強み」は両輪であり、この2つがかみ合わないままの市場の絞り込みはまず成功しません。