正しい努力をしよう
2020/12/01 16:18:35 経済一般
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受験生の子どもさんをもつ方は特にご存知かと思いますが、今年度より大学入試センター試験が大学入学共通テストに変わります。記述式の導入などはすったもんだの末見送られましたが、丸暗記の能力を問うのではなく、思考力、判断力、表現力を中心に評価を行う内容に変わるとのことで、平均点が約1割下がるだろうと言われています。
この入試制度の変遷の大きな理由には日本の国際的競争力の低下があり、その理由の一つとして大学生の学力低下があると言われています。大学側は「もっと真に優秀な人材がほしい」「賢い学生がほしい」との欲求が年々ストレートになっているそうです。
ここからは私見ですが、学力低下の根本的原因は「ゆとり教育」の失敗にあると思います。ゆとり教育は2002年~2011年ころまで実施され、つめこみ教育を見直して緩和し、生きる力の育成、思考力の向上などを目的とされました。
私が思うゆとり教育の失敗はこうです。例えば「新しい発明をする力」を身につけさせたいとします。そして「新しい発明は、散歩などのゆとりある時間を過ごすなかで突然ひらめくもの」だったとします。
「なるほど、日本人はつめこみ教育で忙しくゆとりがないから新しい発明が苦手なのか。ならば勉強時間を減らし、土曜日を休みにし、空いた時間で散歩をすることで発明を考える習慣をつけよう。」その結果が学力の低下、ひいては競争力の低下に繋がったのではないでしょうか。
新しい発明のためには、まず正しい努力に基づく豊富なインプットが必須であり、その上でアウトプット、原因把握、改善などのサイクル(仕事で言うとPDCAですね)が継続的になされた上で、それでも煮詰まった時、時には散歩など違うことをして物事を俯瞰して見ることで一連のサイクルでは見えなかったことが突然見え、それが新しい発明として実を結んだ。こういうのが発明までの正しい努力過程ではないでしょうか。
この正しい努力過程を知らない人が「散歩(ゆとり)=発明」と安易に組み立ててしまったことが失敗で、ゆとり教育制度という壮大な社会実験によりその失敗が証明されてしまったのだと思います。
ちなみに脱ゆとり教育世代である現在の子ども(小学校~高校生)は、今の大人より遥かに学習内容が濃くて多く、忙しい日々を過ごしていますが、もしかして今、日本の労働力に対しては同じような失敗に誘導しようとしていませんか?
正しい努力により、経営を、社会を正しい方向に導けるよう務めていきたいです。
今年の年末調整の注意点
2020/10/30 19:50:13 経理事務
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今年はいくつか改正点がありまして、①給与所得控除の金額が変更されています。下限が65万円→55万円になり、上限も195万円で足切りです。また②基礎控除額が変更されて38万円→48万円になり、合計所得金額が2,400万円以上の方は金額が減り、2,500万円以上で0になります。
①と②の関係で、税金上の扶養親族になれるかどうかの判定は、給与収入のみの親族は改正前後で「給与控除+基礎控除」が65万+38万=55万+48万=103万円となるため変わりません。給与収入以外の所得がある方は基礎控除の48万円のみで判定しますので、昨年と異なります。細かい改正のためかえってわかりにくくなっております。
また③所得金額調整控除の創設、④ひとり親控除の措置などもあるため、年末調整時に記入する用紙の3枚めが「基・配・所」という、もはや何の用紙かわからないものになっています。記入不要の方が大多数ですが、ご不明な点は各担当者にお問い合わせください。
アメリカ大統領選挙による日本の影響は?
2020/10/30 19:48:46 経済一般
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11月3日がアメリカ大統領選挙の投票日です。これを読まれている時点ではもう結果が出ているかもしれませんし、揉めてまだ出ていないかもしれません。トランプ大統領とバイデン氏の戦いということもありますが、共和党と民主党の戦いでもありますので、どちらが勝っても日本にとっては一長一短ありますし、また抜本的に日米関係が変わるということもないでしょうからそんなに敏感になる必要もないとは思いますが、問題は投票結果が長引き、特に経済に悪影響が出たときだと思います。
ご存知の通りヨーロッパやアメリカなどではコロナが再拡大しておりますが、それでもアメリカでは選挙前の非難合戦も相まって、コロナ追加経済対策が選挙までに与野党間で合意に至っていません。欧州でも再びロックダウンの動きもありますし、これでトランプ大統領が郵便投票の不正などを訴えたりして投票日後も大統領が決まらず、与野党が揉めに揉めていつまでも経済対策が発動されないようですと、アメリカ経済に悪影響を及ぼす可能性が高いです。アメリカの経済が冷え込めば当然日本も大きく影響を受けます。
ご存知の方も多いと思いますが、ここ数年アメリカ株価は上昇の一途で、特に最近は「アメリカ株、特にGAFAやその周辺株買っとけば間違いない」みたいな雰囲気です。でも、もうさすがに上がり過ぎでは?と思います。たとえばNASDAQ指数は2009年のリーマンショック時に1,300ドルくらいまで下がっていましたが、今は11,000~12,000ドルくらいまで上がっています。今年3~4月の暴落はその後完全に戻しましたが、山高ければ谷深しで、経済政策の出遅れや失敗で一度ベクトルが完全に下に向いてしまうと、株価も大崩れする可能性が高いと思います。その引き金にならないよう、大統領選挙が無事通過してほしいものです。
お得と応援を兼ねて、GoToトラベルでGO!
2020/10/01 15:22:05 経済一般
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事業者向けの支援として持続化給付金や家賃支援給付金などがあることは皆さんご存知かと思いますが、それ以外にも観光業、飲食業を救おうと、国が旅行代金等の一部を補助するGoToトラベルキャンペーンが始まっています。
7月にすでにスタートしていますが、当初除外されていた東京への旅行や東京在住者の旅行についても10月以降対象になりました。今のところ来年1月31日まで実施される予定です。
内容ですが、旅行代金の35%を支援(値引き)してくれます。ホテルの宿泊費だけでなく、新幹線等の代金がパックになっていれば、まとめて値引きされます。これに加えて10月からは旅行代金の15%相当額の「地域共通クーポン」も受け取れます。値引き額の上限は1人1泊あたり14,000円、日帰り旅行は1人あたり7,000円。クーポンの上限は1人1泊あたり6,000円、日帰り旅行は1人あたり3,000円です。
何回でも使えますし、旅行会社等へは値引きした金額が国から支払われるので、遠慮せずどんどん使いましょう!遠方だけでなく、近くのホテルに食事付きで宿泊なんてのもアリです。
使い方ですが、基本的に直接ホテルに電話して予約、では使えない場合が多いです(ホテル自身が対象事業者の登録をしていないため)。旅行代理店等の対象事業者を通じて旅行の予約をする必要があります。ヤフートラベルや楽天トラベルなどでのネット予約ももちろんOKです。
ネット予約の場合、まずログインしてページに入り、GoToトラベルクーポンを取得します。取得といっても所定の場所をクリックするだけなのでサクッと完了します。その後そのまま旅行予約に進むと、見積もり段階ですでに35%値引き後の金額が表示されますので、そのまま予約して完了です。
地域共通クーポンは旅行先の土産物店、飲食店等で使えますが、旅行当日に配布(またはチェックイン時に配布)され、旅行中の日にしか使えないため有効期限に注意が必要です。
またGoTOトラベルとは別に、GoToイートキャンペーンというのも始まります。これは、25%上乗せされたプレミアム食事券を購入(たとえば1万円で12,500円分の食事券が購入できる)し、その地域で利用できる、というものです。
スタートは地域によりばらつきがあるようですが、例えば広島県ですと10月23日から販売、利用が開始されるようです。10,000円分の食事券が8,000円で購入(1人2冊まで)でき、75万冊が売り切れ次第終了。ファミリーマートでのみ購入できるようです。
まだコロナが収束したわけではないですし、引き続き十分な対策が必要なのはもちろんですが、お得と応援を兼ねて、せっかくですから積極的に利用されるのもアリではないでしょうか!
半沢直樹で思い出した、JALの破綻と再生
2020/09/01 13:39:50 株式投資
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今シリーズから半沢直樹を見始めましたが、すっかりはまっております。私の息子いわく「悪役をこんなに好きになったドラマは初めて」らしく、大和田常務とか、シリアス演技なのにギャグ化してくるのも面白いですね。
第5話からの帝国航空の話は日本航空(JAL)がモチーフになっていますが、JALの経営破綻はそんな昔の話ではないので、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。JALは2010年に会社更生法の適用を申請して、負債総額2兆3,000億円以上で倒産。ところがわずか2年後の2012年9月には再上場を果たして、コロナ禍で業績が悪化するまでは毎年1,700億円以上の営業利益を叩き出す超優良企業に生まれ変わった、という激動の歩みをしている会社です。
当時は民主党政権で、前原国土交通大臣(例の女性大臣のモデル?)が再生タスクフォースを結成し、その後企業再生支援機構に引き継がれ、金融機関に5,000億円超の債権放棄をさせ、3,500億円の公的資金を注入し、株式を100%減資しました。
今サラッと100%減資と書きましたが、どういうことかわかりますか?100%減資なので、資本金を0円にするということです。それはつまり、株主の持っている株式がただの紙切れに変わったことを意味します。再生に向けて経営資源を少しでも維持するために、株主は全員切腹させられた、ということですね。
JALが再生したのは京セラ創業者の稲盛和夫氏が会長に就任して経営改革を図り、企業風土が変わったことが大きいと言われています。ドラマ同様、大幅な人員削減や企業年金の削減もあったようですね。日本を代表する企業ですし、このコロナ禍もなんとか乗り越えてもらいたいです。
ところで、当時は2009年の秋ころには、JALはもう破綻するだろうという話がかなり大きくなっていて、私もわかる範囲で色々調べた結果、「これは絶対、すぐにでも破綻するな」と思っていました。
そして当時の私の株式の取引履歴を見てみると、私は10月ころからしつこく空売りを繰り返していました。「空売り」とは株価が下がるほど儲かる仕組みの取引で、2009年10月始めの株価は1株140円くらいで、破綻して1円(紙くず)になると1株につき139円、10,000株なら139万円儲かるな、という算段でした。
ところが、たしか当時は「公的資金で、政府は何が何でもJALを殺さない」「救済する企業株主が現れて株価は急回復する」みたいな意見も根強く、そのうち「すぐにでも紙くずになりそうなのに、何でこんなに株価が下がらないんだ」と疑心暗鬼になり、自分の読みが誤ったのだろうと思って12月には完全に撤収しました。その後2010年1月19日に会社更生法を申請しましたので、なんて私には才能がないのだろうと思ったことを思い出しました。