おさらい!ふるさと納税
2016/12/25 12:09:29 節税
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ここ数年、お礼品の充実度がヒートアップしてきたふるさと納税。気になるけどまだしていない、という方からがっつり満喫されている方まで様々ですが、今回はそのふるさと納税をおさらいしてみます。
ふるさと納税とは、お住まいの市町村以外へ住民税を納税すること(形式は寄附ですが)を言います。寄附金の使い道を指定して地域を応援する、というのが当初の目的でしたが、いまはその寄附のお礼品が充実しているため、これを目当てにふるさと納税をされる方がほとんど(ですよね?)です。
お礼品には各市町村特産のお肉、お米、海産物、果物から、お酒、お菓子、宿泊券、中にはカブトムシやニュースキャスター出場権(!)など様々なものがあります。「ふるさとチョイス」などのポータルサイトではカテゴリ別、地域別、寄附金額別などで細かく条件設定して探すことができます。
時々勘違いされている方がいらっしゃいますが、ふるさと納税では節税できません。計算上、ふるさと納税をすると税負担が2,000円は必ず増える仕組みになっています。ただ、2,000円を超えるお礼品がもらえることで、結果的にお得だということです。
また、1年間でできるふるさと納税の金額には実質的に限度があります。限度額を超えると、寄附した金額に対して控除される所得税と住民税の額が少なくなり、自己負担が2,000円を超えます。限度額の計算は省きますが、例えば給与所得のみで年収600万円の方ですと6万円~8万円位になります(扶養家族数、その他の所得控除項目等により変動します)。前述の「ふるさとチョイス」などで、かなり正確な試算ができますので、参考にされてから計画的にふるさと納税しましょう。このようなポータルサイトに一度登録しておいてからクレジットカードなどでふるさと納税すると、かなりサクサク進みます。
そしてふるさと納税した後は、確定申告が必要です。勝手には税金の精算はしてくれません。各市町村から「寄附金受領証明書」が送られて来ますのでそれを確定申告書に添付して計算します。
ただ平成28年1月以降のふるさと納税にはワンストップ特例制度というものができており、1年間の寄付先が5自治体までの場合確定申告をしなくても住民税から自動的に精算してくれるようになりました。この制度を利用するためには寄附をした自治体に制度利用の申請書を送りますが、注意しないといけないのは、寄附をした全ての自治体にそれぞれ送らないといけないことです。申請書を送り忘れた自治体があった場合、寄付先が6自治体を超えた場合、申請期限(1/10ころ)を過ぎてしまった場合は、あらためて「全て」の寄附金につき確定申告をしてください。
また、ふるさと納税とは異なりますが、お礼品をもらえる制度として株主優待があります。これは上場株式を持っている株主に対して、配当金と合わせて各企業がお礼品をくれるものです。「株主優待生活の桐谷さん」などが有名です。私も一時期いろいろもらったことがあり、商品割引券、商品詰め合わせ、牛丼金券、居酒屋金券、スーツ贈答券、JR50%割引券、航空料金割引券、スポーツクラブ利用券など結構重宝していました。金券ショップで換金も可能だったりします。こちらに興味のある方は個別に(笑)お問い合わせください。
「103万円の壁」は、これからどうなる?
2016/12/01 12:30:58 節税
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国会では、現在の103万円の壁をなくし、「配偶者控除を150万円以下で最終調整」するなどと取りざたされています。今回はこれをおさらいしてみようと思います。
まず103万円の壁とは、給与収入のみがある方の場合、年間給与収入(総支給額から非課税通勤手当を引いたもの)が103万円以下の場合、給与所得控除(給与収入は自動的に一定額が非課税になる)の65万円を差し引いた金額(=所得金額)が38万円以下となり、この場合その配偶者は配偶者控除という所得控除が受けられるため、所得税や住民税が減額されます。
しかし、この103万円が意識されるあまり、たとえばパートの主婦の方がこの金額を超えないように仕事時間を減らしたり、12月は職場への出勤を控えたりして103万円に届かないようにコントロールする、ということが常習化されています。これが「103万円の壁」です。そのため、この配偶者控除が女性の社会進出を妨げている要因になっているとの指摘が以前からありました。特に日本では労働人口が減少傾向に転じてきている中、女性の労働力が抑制されるというのは経済的にも大きな損失です。
そのため、この配偶者控除の対象となる「年収103万円以下」を「年収150万円以下」に改正すれば、パート主婦がもっとたくさん仕事ができて、より社会進出もできるし、労働力も確保できるというわけです。では、これでめでたしめでたし!でしょうか? ・・・ことはそう単純ではありません。
まず一つ目は、「家族手当」の問題です。民間では減ってきていますが、公務員等は、今でも扶養となる配偶者がいる場合には月額〇万円の家族手当が支給されている、というケースが多々あります。配偶者控除が使えても家族手当は外される、ということになると、やはり年収は抑えられてしまうでしょう。そのため、安倍首相は「家族手当も年収150万円以下を基準とするよう」各企業等にも要請するとしていますが、もちろん義務ではないので、これを機に家族手当自体を廃止するところも出てくると考えられます。
二つ目は、国の「税収確保」の問題です。配偶者控除の基準を切り上げれば、対象となる人数が増え、結果的に税収が下がることになります。個人的には、それで女性の社会進出、労働力が増えるのならいいじゃないか!と思うのですが、国は税収確保のため、配偶者の所得が一定額以上(一説では1,220万円以上)の場合は配偶者控除を使えなくする方向で調整中とのことです。
三つ目は、これが一番重要ですが、「130万円の壁は変わらず存在するため、どうせ150万円ではなく130万円で歯止めされるのでは?」ということです。年収130万円の壁は、社会保険の扶養から外れる収入のラインです(こっちは通勤手当も含みます)。現状でも年収130万円を少し超えるケースでは、税金の負担増よりも、社会保険の負担増の方がはるかに多くなります。私も、たとえ配偶者控除の基準額が150万円以下に改正されても、社会保険負担を考えれば、現状では130万円以下にとどめた方がいいですよ、とお話させてもらうことになると思います。