どうすれば歯科自由診療収入が増えるか
2016/04/18 18:07:59 歯科経営
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厚生労働省の医療経済実態調査等によれば、歯科診療所の、収入全体に占める自費の割合の平均値は約13%です。この割合が高いと感じるか低いと感じるかは歯科医院ごとの経営方針等もあり一概には言えませんが、自由診療収入が収入源の一つとして経営基盤の強化につながることは、間違いありません。
では、どうすればもっと自由診療収入が増えるでしょうか。以下の3つのステップで考えてみましょう。
1.自費診療を行っていることを伝える
2.自費診療を受けることによって患者さんに何をもたらすかを伝える
3.自費診療を行う意義を、院内で共有する
1.自費診療を行っていることを伝える
院内掲示で、ホームページで、先生の医院ではどんな自費診療を行っているかをしっかり伝えていらっしゃいますか?患者さんで、たとえばブリッジと入れ歯の違いを分かっている方は少ないです。クラウンにどんな種類があるかを知っている方は少ないです。「クラウンとは被せ物の事であり、当医院ではセラミックとメタルボンドとパラジウムを扱っており、それはどのようなもので(写真があるとベストです)、値段はいくらで、どんなメリットデメリットがあり、当医院ではどのくらいの期間アフターメンテナンスをするか」まで伝えて、初めて患者さんもイメージが湧き、本当に「伝えた」ことになります。先生の院内掲示は、本当に伝わっていますか?一度見直して見られるのもひとつの手です。
2.自費診療を受けることによって患者さんに何をもたらすかを伝える
T.レビット博士という方のマーケティングの格言に、こういう意味あいの言葉があります。「人は、ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのである」と。もし先生が、日曜大工のためにホームセンターにドリルを買いに行ったとして、店員さんに「このドリルは最新式で、回転が速く、材質はなになにで、充電が長持ちで・・・」とドリルの製品説明を延々とされたらどうでしょう。先生はきっと「私は早くドリルを買って帰って、材木に穴を開けて本棚を作りたいのだ!」と考えてイライラするのではないでしょうか?
歯科医院でも同じことが言えます。患者さんはメタルボンドという金属が欲しいのではなく、「安心して笑える歯」もっと言えば「笑顔」を求めて歯科医院に来ているのです。「入れ歯」を買いに来ているのではなく、「しっかり噛んで食事をする喜び」「噛めることによる健康」を求めて来ているのです。患者さんがその自費診療を受けることにより、自分の幸せな姿をイメージできるように、伝えてあげてください。
3.自費診療を行う意義を、院内で共有する
笛吹けど踊らず、という言葉がありますが、院内で「お金儲けのために自費診療を増やす」という雰囲気が蔓延してしまいますと、スタッフには「新しい仕事が増えてめんどう」となり、院内での治療の連携がスムーズにいかなかったり、歯科衛生士が患者さんからの質問にポジティブではない受け答えをしてしまう可能性があります。「すべては患者さんの幸せのために」という意義があることを、スタッフ全員に共有してもらわないといけません。
「患者さんにとって」いい歯科医院とは~
2016/04/15 17:26:43 歯科経営
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「いい歯科医院とは」「歯科医院に求めるものは」などの、患者アンケートの集計結果をいろいろな機関、団体が実施しております。結果としては、おおむねこんな感じだと思います。
(1)歯科医師の技術が高く、応対が良い
(2)スタッフの応対が良い
(3)医療機器、アメニティが充実している。清潔感がある
ところで、患者さんは、先生の「技術の良し悪し」がわかるのでしょうか?お察しの通り、患者さんは、先生の(本当の意味での)技術の高さは、ほぼわかりません。当然ながら、患者さんは歯科の治療技術を学んでいませんし、自分が治療を受けている間は目をつぶって口を開けて仰向けになっている状態ですから、自分の目で確かめることもできません。
では、患者さんは、「他の歯科医院では治癒されなかったがこの歯科医院では治った」などの明らかな差異がある以外の場面では、どのように先生の技術の高さを「感じて」いるのでしょうか?
(1)説明が丁寧でわかりやすい
(2)(患者の)話をよく聴いてくれる
(3)情報提供が豊富
この結果から見えることは、患者さんは「高い技術を」と回答していますが、本当は「先生の人柄」の部分を「技術」に置き換えて回答している、ということです。「小学生でもわかるようなわかりやすい説明をしてくれた」こと、「治療時の歯の痛みが苦手なことを先生が理解してくれたこと」が、患者さんにとっての「高い技術」だったりするわけです。
さらに言いますと、本当はこの部分は、「人柄」という漠然としたものではなく、(コーチングなど、)「患者との対話技術」に置き換えることが可能です。ホスピタリティと置き換えてもいいと思います。歯科医院の経営においては、先生の歯科治療技術の向上と経営成績は同じ角度では比例しません。前述の通り患者の言うところの「技術」と、先生の「技術」の認識にそもそも隔たりがあるからです。
そんなことは歯科治療とは関係ないじゃないか、という意見もあるかと思います。たしかに直接的には関係ない部分もあると思います。しかし考えてみてください。歯科治療を行えるのは歯科医師の先生だけですが、だからと言って歯科治療以外のことをしてはいけないわけではありません。患者さんが望まれるホスピタリティが実現できる歯科医院、素晴らしいと思います。
そしてその先生の思いは、スタッフの意識向上へとつながります。また、スタッフ教育の土台となります。そしてそれが、その歯科医院の「風土」として根付いていくようになります。
国外財産への課税強化の発端となった、「武富士事件」
2016/04/11 11:12:21 相続対策
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近年、課税当局は国外財産への課税を強化しております。たとえば、平成26年より、5,000万円以上の国外財産を有する方は、毎年「国外財産調書」を税務署に提出する義務が生じましたし、平成27年7月以降、1億円以上の有価証券等を有する方が国外転出する場合は、原則その含み益に対して(売却していなくても!)課税されることとなっております。
このように国外財産に対して監視の目が厳しくなったきっかけは、いわゆる「武富士事件」と呼ばれる、課税当局が平成23年に最高裁で逆転敗訴し、本税1,600億円と還付加算金(税金につく利息のようなもの)400億円を返還した一件が発端になっております。
事件の概要はこうです。父がオランダ法人の株式(この法人が武富士の株式を所有している)を香港に住む長男に贈与しました。非居住者(ざっくりいえば、国外に住む者)が国外財産を贈与によって取得しても、(日本の)贈与税は課税されません。ちなみに、香港には相続税や贈与税そのものがありません。
これに対し、課税当局や東京高裁は、(1)年間日数のうち65.8%は香港に滞在していたが、日本滞在中は出国する前の自宅(部屋は家財道具等がそのまま維持されていた)で生活していたこと、(2)香港での居住はサービスアパートメント(ホテルとアパートの中間的なもの)であった、等の理由により、本当の生活拠点は日本であり、香港への出国は、(税法的には合法ながら、)不当な租税回避目的の行動だとして、(課税当局の最終兵器とも言える、)行為計算の否認の規定適用を行い、また支持しました。つまり、不当な税金逃れのために国外居住したのだから、国外に居住しているという事実はなかったものとみなす!というのです。
しかし、最高裁ではこの主張を退けました。理由としては、「贈与税回避の目的があったとしても、客観的な生活の実態が消滅するものではないから、各滞在日数を調整したことのみをもって、生活の拠点が香港にないとまでは言えない」というものでした。
この事件や、他にも課税当局に不利な判決の出た事件等もあり、課税当局は、これ以上の財産の国外流出と、それに伴う課税逃れを阻止しようと、躍起になっているわけです。税法の改正が「いたちごっこ」である側面が垣間見えますよね。
ちなみに、現在は改正により、非居住者であっても、日本国籍を有する一定のものは国外財産にも課税されることとなっております。
小規模企業共済の一部改正
2016/04/04 17:49:00 節税
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一定の個人事業主または法人役員の方の退職金準備制度として、小規模企業共済があります。独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営しているため安全性が高く、積立型でありながらその支払全額が所得控除になり、かつ受取時の課税も退職所得扱い等になるため優遇されており、非常に使い勝手のいい制度です。この度、4月より一部改正があり、より使い勝手が良くなりました。以下に改正点を簡略に抜粋します。
(1)子などに事業を譲渡した場合に伴う共済金の受取額が増加する
(2)65歳以上になった場合に伴う共済金の受取額が増加する
(3)掛金の中途での減額が(完全に)原則自由となった
当事務所でも、中国税理士協同組合を経由して取次ができますので、ご関心がございましたら、いつでもお問合せ下さい。