インフレに向かう今後をどう立ち回るべきか
日本を含め世界中で急激なインフレ(物価上昇)が起こっています。日本でも最近食料品などの値上げが相次いでニュースになっており、将来の生活の不安を感じさせます。
もともとインフレは悪いものではありません。むしろ景気が良くなったことのサインである場合も多く、景気が良くなる→企業の業績が上がる→給与が上がる→購買意欲が上がる→消費が拡大し、需要が増える→モノが不足したり高くても買いたい人が増えるためモノの値段が上がる→企業が設備投資や雇用をして供給を増やす→景気が良くなる、という好循環を繰り返していくのが良いインフレです。日本の高度成長期などは、まさにこの典型です。
ところが今回のインフレは、コロナで経済が停滞する→個人や企業を救済するために政府がお金をどんどん刷る→お金が出回り過ぎてお金の価値が下がる→コロナが落ち着き出したので、購買意欲が戻ってくる→もともとコロナの影響を受けていなくてお金を溜め込んでいた人が高価なモノを買い漁る→一部のモノは高くても売れるので値段が上がる→コロナによるサプライチェーン分断や戦争の影響で在庫不足になっているものもつられて価格が上がる→コロナの影響を受けていた人を中心に購買意欲が下がる、という感じでしょうか。最悪の場合、スタグフレーション(景気が悪くなっていってるのに物価が上がっていく)になることもあり得ます。もちろんインフレが適正なところで落ち着き、景気が良くなっていく可能性もあります。良いインフレと悪いインフレの違いは、賃金が上がるか否かにかかってきます。
さてそんなご時世、私たち事業者がどのように立ち回っていくべきかですが、まずはキャッシュの確保です。コロナ融資等を受けて手元資金はまだ不安がない方も多いと思いますが、利子補給は3年間なので、コロナ初期に受けた融資は来年から実質利払いが始まります。また元本据え置きは1~5年間ですので、据え置き終了後の資金繰りは今から考えておかないといけません。企業にとってキャッシュはドラクエのHPと同じです(わからない方はすみません)。これが0になると、他にいくら設備・人材・販路があっても、決算が黒字でも、ジ・エンドです。キャッシュ・イズ・キングです。こだわりすぎると投資・成長機会を失う場合もあるのですが、まずはこれを第一にしていただきたいです。
あとは皆さん肌で感じられていると思いますが、コロナ以後は需要のあり方が大きく変化しています。それは巣ごもりによる消費の仕方や嗜好の変化だったり、サプライチェーンの分断による供給経路や供給バランスの変化だったりするのですが、需要の変わっていく部分と、変わらない部分の両方を見極めて商品展開などの供給を行っていく必要があると思います。
ちょっと抽象的ですが、変わらない部分とはいつの時代でも求められるもの、例えば人の温もりだったり、社会への貢献だったりします。その部分を忘れて需要の変化だけ追いかけ回しちゃうと、いきなりタピオカ屋を初めて失敗するようなハメになります。
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