LINEでのやり取りが税務調査の証拠書類に!
令和2年12月に裁決された国税不服審判所での事例で、LINEでのやり取りの画像データを出力した資料をもって、国税当局が「元代表者は退職後も経営に関与して、この資料のように指示を出しているから、実質的に退職したとは認められず、退職金の損金参入を否認する(=経費と認めない)」という見解を出しました。このケースでは関与不十分として最終的には国税当局が負けているのですが、問題はLINEの画像データが税務調査で使われ、証拠書類の形式としては有効であったということです。
このケースでは画像データの入手経路は明らかになっていませんが、納税者が自ら提示したとは思えず、職権で秘密裏に入手していたと考えるのが自然だと思います。
そもそも国税当局は銀行取引を職権で閲覧するのは日常茶飯事ですし、最近の税務調査でもパソコンに保存されているメールのやり取りや、請求書等の作成のためのエクセルデータの閲覧を求められることが増えて来ました。当然のように会社のホームページや代表者のSNSもチェックされています。
少し前の税務調査ではこんなやり取りもありました(一部加工しています)。「(税務署)社長、社長のスマホのLINEを開けて、友達検索のところに「○○さん」と入力して検索実行して、見せてください」「(私)何のためですか?プライベートなスマホなので見せる必要性がありません」「(税務署)〇〇さんとの帳簿外での金銭のやり取りがないか確認するためです」・・最近は国税当局はIT関連にかなり明るくなっている印象です。
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