相続税の税務調査
相続税の申告をした場合、一般的には「4件のうち1件は税務調査が入るよ」と言われていました。しかし平成27年に基礎控除が大幅に引き下げられ、申告しないといけない対象の人が大幅に増えたため、平成27年度以降は全ての申告のうち税務調査が入る割合は11~12%程度に下がっています。
しかしいざ相続税の税務調査が入ると、修正申告になる割合は常に8割を超えています(国税庁の統計年報等で発表されている)。これは法人税や所得税の税務調査と比較してかなり高い割合ですが、理由ははっきりしています。
なぜなら、法人税や所得税の税務調査の場合は調査が始まってから帳簿書類等の確認をしていくのに対し、相続税の税務調査は先に銀行等で納税者周りの取引履歴等の調査を全て済ませておき、課税漏れがありそうな事項を把握してから、税務調査開始の連絡を入れます。つまり「来週から税務調査させてくださ~い」と電話があった時は、すでにもうネタは上がっているわけです。そりゃあ修正申告の割合は高いよね、という感じです。
ちなみに当事務所では平成26年~令和3年の間に約30件の相続税の申告をさせていただいておりますが、1件の税務調査も入っておりません。申告書上での詳細な説明や添付書類で計算根拠を明確にしておくことによって、「わざわざ調査に入る必要はないよ」という申告書づくりを心がけているからだと思います。
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