知ってますか?税金天国
「タックスヘイブン」という言葉を聞かれたことがありますか?巨大企業や富裕者層の方が税率の低い、または無税の国に会社などを設立して、納める税金を安くして租税を回避するという方法です。「え、そんな国があるの?じゃ早速その国に会社を・・」と思われる方もいるかもしれませんが、基本的には税法でその抜け穴はふさがれています。
私も最初勘違いしましたが、「タックスヘイブン」はTax Heaven(天国)」ではありません。Haven(避難所)という意味です。たしかに税金を全く納めなくていい、というのは人によっては天国みたいなことなのでしょうが(^_^;)
タックスヘイブンとなる国は、無税のケイマン諸島などが有名です。カリブ海に浮かぶ小さな島の国です。広い意味ではシンガポール(法人税率約17%)なども該当します。そもそも税金をかけなくて国として成り立つの?という疑問も出てきますが、これといった産業がないため、無税によって国外から企業を誘致することでその国の経済が成り立っていたりしますので、タックスヘイブンとなる国にとっては一般的な税率で税金をかけることは国の存亡にかかわるため、無税の国がなくなることはまず考えにくいと言われています。
タックスヘイブンを使って租税を回避するために、例えば国内で作った商品を儲けなしにケイマン諸島の子会社に売って、その子会社が利益を乗せてまた販売することで、利益が出ても税金を払わなくて済む、という方法が思いつくと思います。しかし日本の法人税では、「儲けなしに国外子会社に売る」ことが正常な取引行為ではないので、妥当な利益を乗せて販売する価格に売上、利益を修正されます。これを「移転価格税制」と言います。
またこの税制をクリアしたとしても、日本の会社等が50%以上株式を保有している等(詳細はもっとありますが割愛します。また改正により例外もあり)の国外子会社で、税負担割合の著しく異なる(ここも詳細割愛します)場合については国外子会社の利益であっても日本の法人税が課税されます。これがいわゆる「タックスヘイブン税制」です。
ただ、税制により世界のすべての租税回避が阻止されているかというと、そうはなっていないようです。少し前に問題になったパナマ文書だったり、アメリカの某巨大企業がほとんど法人税を払っていないと問題になっていたりすることからもそれが伺えますよね。その国での活動の実態が外部にわかりにくくなるようになっているのもタックスヘイブンの特徴のひとつですので・・。
なおフォローしておきますと、タックスヘイブンにある全ての会社が租税回避目的で設立されているわけではなく、逆に本国と現地国で法人税を二重課税されないようにタックスヘイブンが選ばれていたり、タックスヘイブンでは情報保護、匿名性の観点が強いため政治的に敵対している国の企業と商売するためタックスヘイブンを経由させたりすることもあるようですよ。
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