なぜ今、広島カープの人気に火が付いたのか(前編)
クライマックスシリーズは残念でしたが、広島カープは二連覇しました!言うまでもなく、強いです。そして今や球場のチケットの入手が困難になるほど、人気球団です。会社帰りに市民球場にいってもガラガラで、カバンや弁当を後ろの空いている座席に置き放題(本当はダメですが)だったころと比べると、信じられませんよね!だいたい広島市在住の身からすると、カープ女子だの、関東のファンが急増しただのといった現象は今だに「なんで??」じゃないですか?
今やナベツネさんもカープの球団経営には一目置いていたり、DeNAが球団を黒字化させた経営手法もカープから学んでいたりするのですが、経営戦略という目線からすると、なぜ今その人気に火が付いたのか、理由は明確です。「野球の見せ方・楽しませ方が現代にマッチしている」からです。
(以下は私見、想像が大いに入っています。ご注意ください(^_^;))
昭和の高度成長期である昭和30~40年代、夕食後の家族での団らん・娯楽といえばテレビでした(私はまだ生まれてませんが・・)。月曜日以外は必ず野球中継があり、王長嶋が全盛期、怒涛のV9ですよ。この頃は野球が見れるだけで楽しい、ましてや球場に見に行けるとなれば・・!海外旅行に行くくらいの大興奮ですよ。
時は流れまして平成20年代、今やスマホはひとり1台があたりまえ、これさえあればネットも動画も見放題。テレビ?・・最近あまり見なくなりましたね。野球?・・好きですけど、地上波では最近あまりやってませんよね。スカパーなら全試合見れますけど、まあヤフーで試合結果だけチェックする日も多いですかね。あ、今からAmebaTV見るんで、これで失礼します。
今は、昔のように野球観戦が特別な娯楽ではなくなっています。ただ野球を見るだけなら他にも面白いものがいっぱいあるわけです。球団から「野球を見せてやる」と言われても、昔ならそれだけで十分楽しかったんですが、今は(それだけでは)特別な娯楽ではないんです。飲食店から「とにかく腹いっぱいにさせてやる」と言われてもそれだけではその店に行きませんよね。税理士から「申告書(だけ)作ってやる。(それで十分だろ?)」と言われてもそれだけではその税理士を選びませんよね。それと同じです。
で、今は昔ほどはTV放映権などの収入が入ってこなくなり、球団も赤字になったりしているのですが、親会社からすると、「まあ今は昔ほどの野球人気はないかもしれないけど、国民的スポーツなのは変わりないし、数億円程度の赤字なら、まあ広告宣伝費と考えればいいでしょう」という感じで抜本的な変化はなかったわけです。
ところが、カープには親会社はありません。そして、2004年のプロ野球再編問題時に「解散か」「阪神が吸収合併か」「ライブドアカープ誕生か」などといううわさまで流れたカープからすると、今後の球団経営に並々ならぬ危機感があったのではないでしょうか。 (次回につづく)
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