税務調査なう (Q&A方式で)
Q.税務調査はどれくらいの頻度で来ますか?
A.税務調査は所得税、法人税、資産税(贈与税、相続税など)ごとに分かれて、提出された申告書に誤りがないかの実地調査等を行うものです。国税庁が発表した平成24年7月~平成25年6月の法人税の実地調査率(申告があったもののうち税務調査が行われた割合)は3.1%です。単純計算だと税務調査が来るのは33年に1回!ということになります。が、実際は規模の大きい法人や売上・利益が大幅に伸びている法人で3~5年に1回位、一般法人や個人事業主で10年に1回位だと思います。何十年も税務調査を受けていない法人も多いです。また、相続税の調査は以前は4件に1件程度と言われていましたが、平成27年に基礎控除額が大幅縮小されてから申告件数がかなり増えましたので、相対的に実地調査率は下がっていくと思われます。
Q.税務調査は断れますか?
A.任意調査と言われているので受けても受けなくてもいいような響きがしますが、断ることはできません。ただ、今週は外せない予定がつまっているので来週からにしてもらう等の日程調整はできます。任意でなく強制調査となると、マルサ(国税庁査察部)が捜査令状なしでも、いわゆるガサ入れをします。予告なしに踏み込み、有無を言わさず段ボール箱に入れてあらゆる資料を持っていかれます。
Q.税務調査で聞かれることはどこまで答えないといけないのですか?
A.調査官は「質問検査権」というものを持っており、税務調査に必要があれば質問や書類の提出を求めることができます。納税者側に拒絶権がないことが法律上明記されています。ただし税務調査に必要がないこと、たとえばプライベートの引き出しの中まで開示する必要はありません。また、法律上「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」という一文があり、調査官にも分別ある調査を求めています。
Q.税務署の調査官にノルマはあるのですか?
A.追徴税額のノルマはないよう(出世には影響する)ですが、調査件数のノルマはあります(調査官からも直接聞きました)。「1年間で30件の調査をおこなう」などのものです。税務署としては税額もあるのでしょうが、調査件数がこなせていない(=実地調査率が低い)ことを一番問題視しているようです。実地調査率が低い原因のひとつに調査官の慢性的な人手不足があり、税務署側も定年した調査官の雇用延長を増やすなどの対応をしているようです。
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