経営のルールの作り方(2)
前回、経営のルールの作り方、順番を以下のように定義させていただきました。
(1)経営理念 → (2)経営方針 →(3)戦略 →(4)戦術
(1)の経営理念が、会社の「存在意義」「使命」「旗印」として存在します。今回は、(2)(3)(4)についてご説明させていただきます。
(2)経営方針は、事業の根底となる判断基準です。私は、経営方針とは、市場・経済環境に左右されない、ゆるぎないものでなくてはならいと思います。数値的な方針も、ここでは必要ないと思います。
なぜなら経営方針とは、内部外部の要因により(3)戦略(4)戦術の見直しが必要になった場合に、会社の進むべき方向がぶれないようにするための指針だからです。進むべき方向に迷ったら、経営方針に従う!そのためのものだからです。
日本郵政グループの経営方針の一番目は、「お客様の生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。」とあります(同社ホームページより抜粋)。これに従いますと、例えば「採算と合理化のため、○○県から撤退すべきかどうか」の判断に対しては、「NO」という結論が導かれると思います。「全国ネットワークで提供」することが経営方針だからです(あくまで私の解釈です)。では、なぜ「全国で」なのかというと、経営理念たる会社の存在意義が、そうなっているからです。
こう見ますと、では「経営理念」「経営方針」は、意地でも曲げてはいけないものなのか、と聞かれそうですが、私はそれでいいと思います。ここが変わるということは、もうその会社は以前とは別の会社に生まれ変わるということだと思います。それくらい、「経営理念」「経営方針」は絶対的な根っこの部分だと思います。
(3)戦略は、目標達成のための絶対的ルールになります。その戦略に基づいた具体的な行動方針が、(4)戦術になります。「戦術」は、会社ごとに個別に計画していきますが、その基となる戦略は、大きく4つに分類できます。①商品戦略、②マーケティング戦略、③営業戦略、④組織戦略、です。
①商品戦略は、「何を売るか」です。ここで重要なのは、売るものの本質を見誤らないことです。たとえばソフトウェア会社であれば商品は確かに「ソフトウェア」ですが、本当に売るのは「煩雑な業務を効率化するためのソリューション(=解決)」です。保険会社の商品は「保険」ですが本当は「安心感」だったりします。商品を買うお客様の顔が見えているか?に気をつけましょう。
②マーケティング戦略は「どこで売るか」、③営業戦略は「どうやって売るか」、④組織戦略は「その商品を継続的に提供するためのバックボーンたる組織をどのようにするか」、です。この4つは相互に支え合う関係ながらも、全くの別物です。
当事務所では、このような経営のルール作りのお手伝いもさせていただいております。お気軽にお問合せください。
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