どうすれば歯科自由診療収入が増えるか
厚生労働省の医療経済実態調査等によれば、歯科診療所の、収入全体に占める自費の割合の平均値は約13%です。この割合が高いと感じるか低いと感じるかは歯科医院ごとの経営方針等もあり一概には言えませんが、自由診療収入が収入源の一つとして経営基盤の強化につながることは、間違いありません。
では、どうすればもっと自由診療収入が増えるでしょうか。以下の3つのステップで考えてみましょう。
1.自費診療を行っていることを伝える
2.自費診療を受けることによって患者さんに何をもたらすかを伝える
3.自費診療を行う意義を、院内で共有する
1.自費診療を行っていることを伝える
院内掲示で、ホームページで、先生の医院ではどんな自費診療を行っているかをしっかり伝えていらっしゃいますか?患者さんで、たとえばブリッジと入れ歯の違いを分かっている方は少ないです。クラウンにどんな種類があるかを知っている方は少ないです。「クラウンとは被せ物の事であり、当医院ではセラミックとメタルボンドとパラジウムを扱っており、それはどのようなもので(写真があるとベストです)、値段はいくらで、どんなメリットデメリットがあり、当医院ではどのくらいの期間アフターメンテナンスをするか」まで伝えて、初めて患者さんもイメージが湧き、本当に「伝えた」ことになります。先生の院内掲示は、本当に伝わっていますか?一度見直して見られるのもひとつの手です。
2.自費診療を受けることによって患者さんに何をもたらすかを伝える
T.レビット博士という方のマーケティングの格言に、こういう意味あいの言葉があります。「人は、ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのである」と。もし先生が、日曜大工のためにホームセンターにドリルを買いに行ったとして、店員さんに「このドリルは最新式で、回転が速く、材質はなになにで、充電が長持ちで・・・」とドリルの製品説明を延々とされたらどうでしょう。先生はきっと「私は早くドリルを買って帰って、材木に穴を開けて本棚を作りたいのだ!」と考えてイライラするのではないでしょうか?
歯科医院でも同じことが言えます。患者さんはメタルボンドという金属が欲しいのではなく、「安心して笑える歯」もっと言えば「笑顔」を求めて歯科医院に来ているのです。「入れ歯」を買いに来ているのではなく、「しっかり噛んで食事をする喜び」「噛めることによる健康」を求めて来ているのです。患者さんがその自費診療を受けることにより、自分の幸せな姿をイメージできるように、伝えてあげてください。
3.自費診療を行う意義を、院内で共有する
笛吹けど踊らず、という言葉がありますが、院内で「お金儲けのために自費診療を増やす」という雰囲気が蔓延してしまいますと、スタッフには「新しい仕事が増えてめんどう」となり、院内での治療の連携がスムーズにいかなかったり、歯科衛生士が患者さんからの質問にポジティブではない受け答えをしてしまう可能性があります。「すべては患者さんの幸せのために」という意義があることを、スタッフ全員に共有してもらわないといけません。
この記事にコメントする