年金は大丈夫か!?GPIF、7-9月に7.8兆円の損失!
日本の年金積立金は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という機関で管理、運用されています。GPIFのホームページによりますと、平成27年9月末現在での運用資産額は約135兆円ですが、7~9月の3か月間で7兆8,000億円以上(!)もの損失を計上しています。
これは、安倍首相が主導した運用改革により株式等の運用比率が高くなっていたところに8月のチャイナショックによる世界的な株安などがあり、大きな運用損が出ました。もっとも、10月以降は株価も大きく戻していますし、長期的には利益は出ているので、これだけをもってすぐに「年金危機」というような状況ではありません。ただ問題は、株式の運用比率を倍程度に引き上げたため、損益の振れ幅が大きくなっているということです。7.8兆円という損失は、リーマンショック時の年間損失額に迫る金額だそうです。
さらにGPIFは、今後「ジャンク債」と呼ばれる海外の低格付け債での運用も行うと発表しております。もしかして、「夏に大負けしたから、ハイリスクハイリターンの運用で取り返す」みたいな、頭に血が上った運用になってませんよね!?まさかとは思いますが・・・
根本的な問題として、株式運用が「長期的な運用」に適しているのか?という問題があります。世界的に経済が安定して成長しているわけではない状況では、長期間株式を持ち続ける、ということ自体がかなりの(暴落などの)リスクを伴うことになります。大事な年金資金を、株高演出の政治利用にされないことを願うばかりです。
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