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業績を立て直すための優先順位とは?

2015/08/24 15:22:23  決算書
 業種にかかわらず、事業の利益はざっくり言いますと以下の計算式で算出されます。

  利益 = 売上高 ☓ 粗利率 - 経費

 ということは、利益をより上げるためには、(1)売上高を上げる、(2)粗利率を上げる、(3)経費を減らす、のいずれか又はその複数が必要になってきます。

 ここまでは当たり前の話なのですが、では業績を立て直す場面においては、(1)(2)(3)のうちどれを最優先にすべきかお分かりになりますか?

 答えは、(3)経費を減らす、です。

 確かに、売上高が上がることが利益の源泉となるわけですし、全社で団結して目標売上高に向かってまい進することでモチベーションも上がってくることとは思います。
 しかしながら、法人や事業にとって最も大切なことは「継続すること」です。事業が継続しなければ社長さんの生活は成り立ちませんし、従業員も路頭に迷わせることになるかもしれません。また、取引先や銀行にも迷惑がかかるでしょう。

 そうなると、事業の継続にもっとも必要なのは、いわずもがなですが「キャッシュ(現預金)」です。極論ですが、キャッシュがある限りは売上が下がろうと、赤字が続こうとも、事業は継続できます。逆に、黒字でもキャッシュが底をつけば倒産します。

 売上が実際に入金に結びつくためには、営業活動、マーケティング、契約、製造、納品、請求などのプロセスが必要なため、それだけ時間を要します。また、そのためのキャッシュも必要です。業績が好調で資金にも余裕がある段階ではかまいませんが、事業を立て直すという段階では即効性がないため、逆に苦しい期間が増えます。その点、たとえば月3万円の支払家賃を削減することができれば、翌月から即3万円のキャッシュを得ることができます。

 たとえ3万円でもあなどってはいけません。月3万円の利益を獲得するためには、その事業の粗利率が30%だとすると、月3万円×12か月÷30%=120万円の売上高が毎年必要です。月3万円の経費削減と、毎年120万円の売上確保・・・、どちらが手を付けやすいでしょうか?
 事業継続のためには、売上第一ではなく、利益第一主義にこだわっていただきたいです。


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税理士・代表取締役 沢辺勲
趣味は株式投資とマラソンと広島カープ
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