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マーケティング目線で見た、「ライザップ」

2015/06/17 10:59:40  マーケティング
 「ライザップ」というスポーツジムが人気を集めています。CMで、赤井英和さんや香取慎吾さんがビフォーアフターですごい肉体美を披露しているやつです。CMのインパクトで人気を集めている側面もあるとは思いますが、マーケティング目線で見てみると、違った人気の一面が見えてきます。

 スポーツジムに通う人の目的はいろいろあると思います。「ダイエット」「健康のため」「ストレス解消のため」「スポーツの上達のため」「筋肉ムキムキにしたい」等々・・・。その中でも、「夏までに○○キロやせたい!」と思われている方は多いはずです。その人にとっては、「目的」は「ダイエット」であり、その「手段」としての「スポーツジム」なのです。つまり、「ダイエット」が目標であって、「週2回スポーツジムに通う」ことが目標ではないのです。

 そういう人にとって、「初月会費無料」や「設備の充実」や「インストラクターのお姉さんがきれい」という要素はそこまで重要ではありません。あるに越したことはない、という程度でしょう。スポーツジム運営側からすると、ダイエット目的の顧客に対して「スポーツジム施設の充実」という商品をいくらプレゼンしても、その向こうにある「○○キロ減量」という顧客の本当のニーズをとらえていないため、顧客の心にささりません。手早く昼食をすませたいサラリーマンには、「食後のおいしいコーヒー無料」がささらないのと同じです。

 その点、ライザップは「ダイエット」という目的をもつ顧客のみに特化して、その目的達成のみに焦点を合わせています。筋トレ中心なのでプール設備などはなく、また金額も2か月で20万円~と決して安くはないようですが、マンツーマンで日々の食事管理等もしてくれるそうです。まさに、「多少高くても確実にダイエットしたい」というニーズを的確にとらえたマーケティングの好例と言えると思います。


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税理士・代表取締役 沢辺勲
趣味は株式投資とマラソンと広島カープ
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