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マーケティング(2) 市場を適切に絞り込む

2014/08/25 13:34:28  マーケティング
マーケティング(1)で、小規模事業者の取るべき戦略として、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、というお話をさせていただきました。

「市場を適切に絞り込む」とは、言い換えますと、戦うべき相手と戦わない相手を区分するということです。小企業がいきなり戦場のまん真ん中に切り込んでいっても返り討ちに合うのがオチです。自社の経営資源を集中させて、勝てる相手を選んで切り込んでいくために、「市場を絞り込む」のです。

「市場」を絞り込むためには、業種や経営戦略によってアプローチを変えていかなければいけません。「市場」のとらえ方の観点には、(ⅰ)地域、場所、(ⅱ)商品群、(ⅲ)顧客ターゲット層、(ⅳ)心理的競合群、などがあります。ここでは、(ⅰ)地域、場所、を例にとってみます。

あなたの市場は、「広島市」ですか?「広島県」ですか?「○○町界隈」?それとも「日本」?「世界」?地域や地域性に大きく影響を受ける業種では、地域の範囲が広すぎると、競合が多すぎてジリ貧になってしまいます。地域の範囲が狭すぎると市場規模が小さすぎて利益がでません。また、地域性により戦略が異なる場合もあります。一般的に、大都市圏と地方ではニーズの反応、種類が異なることが多かったりします。

お好み焼き屋を開店するのに、「広島市でナンバー1」では市場が広すぎます。また、老舗の有名店には勝てません。でも、「○○町周辺のサラリーマンの昼食を早く安く提供するお好み焼き屋でナンバー1」ならいけそうではないですか?回転数を多くして採算を合わせる戦略です。逆に、他にはない新鮮な魚介類の仕入れルートがあるならば、「サイドメニューの鉄板焼きが豊富な、○○町でナンバー1の店」でも戦えるでしょう。この場合は、「夜の宴会客」をターゲットに「単価を高くする」ことで採算を合わせる戦略です。

例をあげてみるとわかりますように、「市場の絞り込み」は、自社の強みが正しく分析されていないと誤った選択をしてしまいます。前者のお店は、早くお好み焼きを提供するノウハウを持っていないと対応できませんし、後者のお店は、仕入れルートも持っていないと競争力のある素材を準備できません。
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、実際に日常業務に追われてしまって、この「自社の強み」の部分の分析がぼやけてしまうケースは多いのです。冒頭の①市場と②強みは両輪であり、この2つがかみ合わないままの市場の絞り込みはまず成功しません。ここが最大のポイントです。
市場の絞り込みができましたら、あとはその市場自体を検証してみて下さい。ポイントは、その市場が広いか、今後の伸びが期待できるか、競合は少ないか、です。

小規模事業者のとるべき戦略は、オンリー1企業になって高利益体質になることです。そのために、市場が地域であれば「特定の地域ナンバー1」、市場が商品群であれば「○○の商品ナンバー1」です。その市場が狭くても、「オンリー1」であればニーズは途切れませんし、市場が狭いので、巨大企業がわざわざ本格進出してくることもないでしょう。
「②強み、付加価値、ブランディングを活かす」は、機会があればまた詳しく触れてみたいと思います。

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税理士・代表取締役 沢辺勲
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