税務調査対策(3) 税理士を替えると、調査が来る?
「税理士を替えると、税務調査が来ませんか?」
よく聞かれます。聞かれる度に、いつも不思議に思っています。なぜなら、毎年50件超の税務調査について立ち会ったり、情報交換したりしていますが、「税理士が替わったから、来た」と思われる調査を一度も見たことがないからです。
税務調査対策(1)でも書きましたが、平成24年事務年度の実地調査割合は、目標の8.5%に対して実績が3.1%です。税務当局は十分な実地調査に赴けていないのです。それでも、前回不正のあった納税者や、売り上げが大きく伸びたのに利益が全然出ていない法人に対しては、優先的に調査しないといけないでしょう。税務当局も手一杯なのです。そんな状況下で、あなたが調査官だったとしたら、「あの法人は税理士が替わりました。他に理由はないですが、なんとなく何か出るかもしれないので、調査に行きます」と上席に言えますか?言えないですよね・・
いわば都市伝説化しているわけですが、なぜこういった話が根強いのでしょうか。ここからは想像ですが、内部者からの告発など、いわゆるタレコミからの脱税情報により税務調査が行われることも少数ながらあると聞きます。税理士としても、「こんな申告内容では顧問はできない」として関与が切れることもあると思います。そんなタイミングが重なって行われた税務調査に対して、「税理士が替わったから・・」となっていったのではないでしょうか。
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