税務調査対策(2) これだけは覚えておいて下さい!調査中の注意点
2014/06/02 15:48:51 税務調査
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通常の税務調査では、直近の過去3年分を調べる、ということがほとんどです。ですので税務調査は最短だと3年おきにやってくることになります。ただ実際は、前回お話した通り、税務署側の人手不足もあるために5~10年くらいの間隔がほとんどです(前回、悪質な所得隠し等を指摘された場合は別です)。
そもそも、税務調査は必ず受けないといけないのでしょうか。通常の税務調査は「任意調査です」と聞くと、「任意?じゃあ、受けても受けなくてもいいの?」と思われる方も多いのではと思います。結論から言いますと、受けないことはできません。「任意」の一方で、税法では納税者に「受任義務」というものを課しています。「なあんだ」という感じですが、ただいわゆる「マルサ」などの強制調査ではありませんので、指定された日時に大事な商談が入っていたり、体調不良だったりするときに日程を変更してもらうことは可能です。何にせよ、調査日程に関しては顧問税理士にも連絡が行きますので、よく話し合ってから決めることが大切です。
そして、実際の調査が始まると、調査官から色々な質問をされます。どこまで答えないといけないのでしょうか?調査官は「質問検査権」というものを持っています。「税務調査に必要があるときは、質問し、帳簿書類等の提出を求めることができる」この権利はかなり強力で、これがある限り、質問に対して拒絶することはできません。
ただ、「税務調査に対して」ですので、たとえばプライベートの引き出しの中やパソコンのデータまで勝手に見ることはできません。調査官が勝手に触ることは違法調査です。開示を求められたら、まずその理由を確認し、必要なものだけをこちらから開示するようにしましょう。
特に覚えておいていただきたいのは、質問に対して「拒絶」や「ウソ」はいけませんが、かと言って即答する必要もありません。あいまいな回答は調査に不利な影響を及ぼすかもしれませんので、そういう時は「よく確認して回答します」と言ってその日は回答を保留し、調査官が帰ってから顧問税理士とよく相談してから後日回答するようにするか、税理士に回答してもらいましょう。
税務調査対策(1) 税務署の現状
2014/04/25 11:10:16 税務調査
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税務調査に関して、国税庁が発表した平成24年7月1日~平成25年6月30日までの法人税の実地調査率(法人税の申告があったもののうち、税務調査が行われた割合)は3.1%でした。この実地調査率は年々減少傾向にあり、3.1%は過去最低です。100件申告があるうち、税務調査が実施されるのは3件だけということです。単純平均だと、33年に一度位しか税務調査が来ない(!?)ということになります。
国税庁の実地調査率の目標は8.5%程度だそうです。なぜ、こんなに開きがあるのか?実は税務署は人手不足の傾向が続いています。団塊の世代が定年を迎えて絶対人数が大きく減ったためです。ここ数年調査官の採用人数を大幅増加させていますが、追い付いていません。また、若手を教育し、実地訓練を積ませるベテランの人手も不足しています。そのため、定年を迎える調査官を65歳まで再雇用しようという動きも出ているようです。
私の経験では、10年前頃までは若い調査官はベテラン調査官と2人で調査に赴き、指導を受けながら実地経験を積んでいく、ということをしておりましたが、最近は20代の調査官でもどんどん1人でやって参ります。「今回が2回目の調査なんです」と言われた調査官も1人で来られました。
調査官には追徴税額のノルマはありませんが、実地調査率を上げるために、「何件調査に赴く」という目標はあるようです。この現状を税務署目線から見ると、「よほど悪質な案件以外は時間をかけるより、調査件数を増やすことを優先させなければならない」という現状が読み取れるのではないでしょうか?現状が分かると、税務調査の対応の糸口も見えてきます。
また、経営者・事業者の方が一番気になるのは、税務署は調査先をどのように選んでいるのか?ということだと思います。もちろん、単純に儲かっている会社や前回の調査で悪質な所得隠しがあった等を選定することもありますが、一番多いのは国税のデータベースから絞り込むという方法です。
国税当局には国税総合管理システム(略してKSK)というものがあり、たとえばここ数年の決算と比較して、交際費などの特定項目が大きく変動したとか、同規模の同業者と比較して売り上げは伸びたのに利益が全然増えてない、などの法人を抽出して絞り込むのです。
それを考えると、決算書の数字の作り方にしても、どのようにすると調査対象にかかりにくくなるか、などと言う対策が見えてきませんか・・・!?